eコラム「北斗七星」

  • 2016.02.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年2月5日(金)付



正式な日本語ではないが、よく目にする言葉がある。婚活、女子会、山ガールなどだ。こうした時代や社会を巧みに捉えて表現した「辞書に載らない日本語」(北原保雄編著 大修館書店)には、民主党の歴代リーダーにまつわる造語も顔を出す◆例えば、「菅る」。政治家や大企業の社長などが、同じ地位に居座ろうとする意味を持つ。上司の発言に大きく振り回されることを「海江田る」、悪いことだと思わずにウソをつくのは、「鳩る」という。3人の特徴を表しているが、首相や閣僚経験者がパロディー風に扱われると、少々複雑な気分にもなる◆その民主党が党大会を開き、岡田克也代表は今夏の参院選を「政権交代するための大きな足がかりにする」と呼びかけた。政党が政権奪取を叫ぶのは当然だ。しかし、国づくりの青写真や骨太で現実的な政策を提示しなければ、失った信頼は取り戻せない◆昨年の通常国会の安全保障関連法の審議では、日本を取り巻く安全保障環境の悪化を直視せず、本格的な対案を国会に提出できなかった。北朝鮮が先月の核実験に続き、事実上の長距離弾道ミサイル発射を通告した今、北東アジアの緊張をどう説明するのか◆政権に反対するだけの野党に舞い戻るのであれば、また一つ党代表の氏名から造語が生まれても不思議ではない。(明)

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