e育児・介護と仕事を両立

  • 2016.02.01
  • 情勢/解説
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公明新聞:2016年1月30日(土)付



働き方改革で関連法改正案
休業の取得、柔軟に
公明の主張 随所に反映
マタハラ防止も義務化



誰もが働きやすい社会に―。育児・介護と仕事の両立や高齢者の就労を支援するため、政府は29日、雇用保険法や育児・介護休業法などの関連法改正案を閣議決定した。これには、妊娠・出産を理由に職場で不利益を被るマタニティーハラスメント(マタハラ)の防止も盛り込まれるなど、公明党の主張が随所に反映された。


改正案のうち介護では、1回の要介護状態で最長93日の介護休業について、現行は一括でしか取れないが、最大3回まで分割して取得できるようにする【図参照】。介護休業給付は賃金の40%から67%に引き上げ、介護休業を取得する人への経済的支援を拡充させる。介護が終わるまで所定外労働の免除を請求できる権利も新設する。

何らかの理由で介護休業を取らない労働者に対し、事業主が短時間勤務や時差出勤などのいずれかを講じる「選択的措置義務」は、介護休業の日数と合わせて93日間は利用できるとする現行制度を変更。介護休業と切り離し、利用開始から3年の間で2回以上利用できるようにする。

育児関係では、育児休業の対象に特別養子縁組成立前の試験的な養育期間(監護期間)中の子どもなどを追加。有期契約労働者に対しては、育休の取得を困難にしていた「申し出の時点で子どもが1歳以降も雇用継続の見込みがある」との要件を廃止するなどの改善を行う。

このほか、対象家族1人につき年5日(2人以上は10日)の介護休暇と子どもの看護休暇は、1日単位の取得を柔軟化し、半日単位で取得できるようにする。

マタハラ対策は、現在でも事業主には妊娠・出産を理由とする解雇や降格を禁止しているが、改正案では事業主に対し、上司や同僚などによる嫌がらせを防ぐ措置を新たに義務付ける。措置の内容は指針で定めるが、周知・啓発や相談体制の整備が考えられている。派遣労働者の場合は派遣先が防止策を講じる。

一方、高齢者の就労に関しては、65歳以降の新たな雇用も雇用保険の適用対象とする。また、週20時間程度に限定されているシルバー人材センターの業務のうち、都道府県知事が市町村ごとに指定する業種・職種については、派遣・職業紹介に限り週40時間まで働けるように改める。

さらに改正案では、雇用情勢の改善などを踏まえて失業等給付の雇用保険料率を4年ぶりに引き下げ、1%から0.8%とする。失業等給付の受給者が早期に再就職した場合に支給される再就職手当も拡充する。

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