eコラム「北斗七星」

  • 2016.01.29
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年1月29日(金)付



「好ましい予測よりも好ましくない予測を優先しなければならない」とは、科学技術の発展がもたらす環境破壊の行く末を警告したハンス・ヨナスの言葉(「責任という原理 科学技術文明のための倫理学の試み」)◆先週末の西日本の大雪といい、近年の洪水被害といい、「何かがおかしくなってきている」と感じている人は多い。ヨナスの言う"好ましくない予測"が刻々と進行しているのではないか◆昨年末、パリで開かれたCOP21では途上国も含め、すべての国が2020年以降、目標を持って地球温暖化対策を遂行していくことが決議された。温室効果ガス削減で各国の掲げた目標に法的拘束力がない点を問題視する向きもあるが、何よりも世界が一致して"好ましくない予測"を覆すことを決意したことは画期的だった。まずは各国の努力を見守るべきだろう◆"好ましくない予測"は環境問題に限らない。自国防衛も然り。国際環境の変化に対応して、最悪を想定して回避策を常に追求していくのが、国民を守る責任を負った政府の姿勢だ。少子高齢化問題も同様だ。このままでは破綻すると予測されていた年金を持続可能な制度にするため、公明党は全力を尽くしてきた◆国も地方も課題は山積している。何よりも"好ましくない予測"転換へ智恵の結集を。(爽)

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