eコラム「北斗七星」

  • 2016.01.20
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年1月20日(水)付



北海道を訪れた外国人観光客は昨年、初めて200万人を突破。北海道新幹線の開業も目前に迫る。そうした経済効果を全道に波及させるためにも、道内にある複数の空港の「一括民営化」をめざす議論が活発になっている◆空港民営化は、国や地方自治体が維持管理する滑走路と、第三セクターなどが運営する空港ビルを一体的に民間に委託し、事業の効率化を図るもの。ビルの収益を着陸料の引き下げなどに活用することができ、新規路線の開拓などに有利だ◆道内の空港は、離島を含め13カ所。"北の玄関口"新千歳空港の集客力は群を抜くものの、利用客が伸び悩み苦戦する地方空港も。複数空港の一括民営化によって新千歳に集中しがちな観光客を各地に振り分け、広域的な観光圏の構築をめざす◆「民営化すれば、収益性の低い空港は存続すら危ぶまれる」との懸念もある中、いかに新たな需要を生み出すか。北海道大学公共大学院の石井吉春教授は、「北海道は、地域LCC(格安航空会社)が展開できる国内では限られた地域の一つ」と指摘。陸路なら半日がかりの行程を、低運賃でひとっ飛び。そんな"攻めの経営"の必要性を力説する◆20年に東京五輪・パラリンピックを控え、冬季大会の札幌招致も話題に。"観光新時代"を開く積極的な取り組みが望まれる。(武)

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