e刑法犯が戦後最少 効果挙げた地域防犯パトロール

  • 2016.01.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2016年1月18日(月)付



「今、治安は危険水域にある」―これは、犯罪対策閣僚会議が、2003年12月に策定した「犯罪に強い社会の実現のための行動計画」に載った冒頭の一節である。

前年の02年は、刑法犯の認知件数が約285万件に上り戦後最悪を記録。当時の自公政権は03年9月、全閣僚をメンバーとする犯罪対策閣僚会議をスタートさせ、官民一体となった防犯体制の構築に取り組んできた。

その努力が実を結び、刑法犯の認知件数は13年連続で減少。昨年は約109万9000件で42年ぶりに戦後最少を更新した。安全・安心の地域づくりにさらなる努力を続けたい。

特に大きく減ったのが空き巣や車上ねらいなど身近に起きる窃盗で、02年から約157万件(66%)減った。この背景には、防犯カメラの設置拡大や住民が地域を見回る防犯ボランティアの努力があった。公明党の井上義久幹事長も「官民による街頭の犯罪対策が効を奏しつつあるからだ」と分析する。

「民」の分野では特に、住民の防犯ボランティアの増加が重要だ。14年末の時点で、03年の15倍以上となる約277万人に上っている。

地元を知り尽くした住民によるパトロールほど、防犯効果を期待できるものはないだろう。不審者やわずかな環境の変化も見逃さず、即座に警察に通報することで街の防犯体制は確実に強化されている。同時に、社会の連帯感の構築にも役立っている。

「官」の努力としては、公明党が推進してきた「空き交番」の解消がある。パトロール中は警察官が不在となる「空き交番」では地域の安全・安心の拠点として役目を果たせない。警察庁は警察官の増員配置などを進め「空き交番」を07年に解消した。

こうした防犯体制の構築が成果を上げた一方で、地域における少子高齢化や地域の人間関係の希薄化などで地域住民による防犯活動の維持が難しくなっている。

犯罪対策閣僚会議は、13年12月に「『世界一安全な日本』創造戦略」を策定し、防犯ボランティアなどを強化・補完することの重要性を指摘した。「民」の努力をさらに支えることが必要だ。

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