e古屋副代表の衆院代表質問(要旨)

  • 2016.01.07
  • 政治/国会

公明新聞:2016年1月7日(木)付



軽減税率 痛税感、逆進性を緩和


日中韓、揺るがぬ関係築け
外交問題


北朝鮮は本日、初の「水爆実験」を行い、成功したと発表した。国際社会の平和と安全に対する重大かつ深刻な挑戦であり、断じて容認できない。


また、サウジアラビアなどがイランとの外交関係を断絶したことで、中東地域が一層不安定化し、シリアの和平プロセスやテロとの戦いなどにも悪影響を与えかねない。国際社会が連携、協調し、対話を通じて、事態の沈静化を図ることが必要ではないか。


昨年末、日韓両政府間で、慰安婦問題について画期的な合意がなされた。揺るぎない日韓関係構築に向けて、この合意を両国が不退転の決意で実現しなくてはならない。


今年は日本で日中韓首脳会談が開催される。この好機を捉え、日韓関係、日中関係を着実に揺るがぬ未来志向の関係にしていかなければならない。


軽減税率


昨年12月、自民・公明両党は「酒類・外食を除く飲食料品」に対し、2017年4月1日より軽減税率を導入することを決定した。これにより、該当の飲食料品は、消費税引き上げ後も税率8%に軽減されることが決まった。自公両党は一昨年12月の衆院選挙後にまとめた「連立政権合意」で、消費税の引き上げに合わせて軽減税率を導入することを公約に掲げた経緯がある。


軽減税率の導入は、国民の痛税感の緩和や逆進性対策のための施策として大きな意味があると考える。また、景気・経済対策としても効果が期待される。


軽減税率に関して、事業者のインボイス導入は21年からと決まった。事業者にとってこの時期は、マイナンバー制度の準備やストレスチェックの義務化等が重なり、負担が大きいという指摘がある。政府は中小・小規模企業の事業者負担軽減のために、迅速な対応をすべきだ。


介護人材の待遇改善を


がん対策 受診勧奨の強化が不可欠
1億総活躍社会の実現


公明党は、政府が掲げる「1億総活躍社会」とは、女性や若者、障がい者をはじめ、すべての人が輝き活躍できる社会と位置づけ、その取り組みを加速化させることによって、希望と活力ある日本を再構築していくべきと考える。


介護人材、保育士の確保)政府は介護離職ゼロをめざし、特養ホームなどの介護の受け皿を約50万人分、整備する目標を掲げた。公明党は、「介護離職ゼロ」を実現するために、まずは介護職員の離職者ゼロをめざすことが重要であると言ってきた。介護従事者の処遇改善を通じて離職を防止するとともに、新たな人材の養成・確保、離職者の再就職支援などを一体的に進めることが必要だ。


政府は「保育士確保プラン」に基づき、修学資金貸付、潜在保育士の再就職支援などを進めてきたが、今般、17年度末までの保育の受け皿を40万人から50万人分へと拡充したことに伴い、さらなる保育士確保が必要となった。業務負担の軽減や賃金引き上げなど、一層の待遇改善が必要だ。


不妊治療の助成拡充)体外受精や顕微授精など、高額な費用負担に苦しむ夫婦の切実な声に応えるため、公明党は特定不妊治療助成事業の創設と拡充に尽力してきた。


今般の補正予算案では、初回の助成額の増額や男性不妊治療の助成拡大が盛り込まれているが、その目的や効果、助成内容等を伺いたい。

 

マタハラ対策)マタニティー・ハラスメント(マタハラ)が社会問題化している。公明党の提案を受け、厚生労働省が就業形態別の実態調査を初めて行った。その結果、マタハラを経験した女性は、派遣社員で約5割、正社員で約2割に上ることが分かった。妊娠・出産が退職や降格につながるような社会の意識を変えなければならない。


がん対策)がん対策は、「がん対策推進基本計画」に沿って進められているが、07年度から10年でがんの死亡率20%削減の全体目標の達成は難しいのが現状だ。


そのため、政府は「がん対策加速化プラン」を策定した。中でも、「がん検診受診率50%以上」の目標達成に向けて、個別受診勧奨(コール・リコール)の強化が不可欠だ。また、受動喫煙対策や就労支援の充実等も喫緊の課題だ

 

臨時福祉給付金)賃金引き上げの恩恵が及びにくい年金生活者等への支援は、個人消費下支えや所得全体の底上げを図る観点から必要な施策と考える。公明党は、社会保障と税の一体改革の中で、低年金者等への加算制度を提案し、消費税10%導入時から月額最大5000円の福祉的給付がスタートすることになった。


この低年金者等への加算制度との関係を含め、今般の年金生活者等への臨時福祉給付金の意義について、丁寧に説明するとともに、対象者への適正かつ迅速な支給に万全を期すべきだ。


TPP対策

 

環太平洋連携協定(TPP)のメリットを生かし、日本経済を活性化させ、農林水産業に安心と希望をもたらすために、公明党は昨年、TPPの国内対策を提言した。内容の多くは、政府が決定した「総合的なTPP関連政策大綱」に反映され、今般の補正予算案にも一部、計上されている。


農林水産業については、女性や若者など多様な担い手が希望をもって活躍できるよう、収益の向上に向けた支援を早期に充実すべきだ。今回の補正予算はTPP対策のスタートであり、幅広く国民の理解を得るために、消費者の目線も重視しながら、今後さらに対策を進化させていくべきと考える。


防災・減災対策


昨年9月の関東・東北豪雨により、鬼怒川の堤防が決壊して深刻な浸水被害が発生した。一昨年9月の御嶽山噴火の被害も記憶に新しい。水害や火山など自然災害対策を急がなくてはならない。


併せて、道路や橋、トンネルなど、高度経済成長期に整備されたインフラが老朽化しており、その整備も不可欠だ。


災害発生時、地域住民の避難場所になるのが公立小・中学校だ。現在、学校の耐震化は、今年度中にほぼ100%を達成する見通しとのことだが、トイレや冷暖房改修も喫緊の課題だ。


古屋副代表に対する安倍首相らの答弁(要旨)


安倍晋三首相


一、(北朝鮮の核実験実施について)わが国の安全に対する重大な脅威であり、断じて容認できない。強く非難する。

一、(軽減税率の導入に伴う事業者の事務負担の軽減について)事業者の準備負担に配慮し、複数税率に対応した区分経理が困難な中小事業者なども想定し、税額計算の特例を設けることとしている。


一、(介護人材の確保について)介護福祉士をめざす学生に返済を免除する奨学金制度の拡充、再就職準備金の創設、介護ロボットの活用促進などに取り組んでいく。


塩崎恭久厚生労働相


一、(マタハラ防止について)上司・同僚からの嫌がらせなどの行為を防止するための措置を事業主に義務付けるなど、法改正に向けて検討している。


石井啓一国土交通相


一、(防災・減災対策について)現在、国土交通省の公共事業関係費の半分以上を防災・減災、老朽化対策などに重点化している。引き続き、国民の安全・安心の確保に全力を尽くす。

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