eチーム学校 地域社会で支える仕組みを

  • 2015.12.25
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年12月25日(金)付



未来の宝である子どもたちの教育環境を充実するため、社会全体で学校を支える体制づくりを進めていきたい。


中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)は21日、外部人材を積極的に活用し学校の教育力を高める「チーム学校」の取り組みを促進するよう答申した。スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーといった専門家の学校における位置付けを明確にしたり、部活動専門の指導員の配置や地域との連携強化などを提言している。文科省は来年の通常国会で必要な法改正をめざす。

学校現場では、いじめや不登校、保護者の貧困問題など課題が複雑化、多様化しており、専門性の高い対応が必要なケースは少なくない。グローバル化の進展など、社会の変化を見据えた指導方法の改善も求められている。

だが、多忙な日本の教員は、こうした課題に十分に対応できているだろうか。子どもたちの学習指導や生活指導、部活動など幅広い業務を抱えており、最も大事な授業に専念できない教員もいると聞く。

教員の負担を減らし、さまざまな課題に迅速かつ的確に対応できるようにするためには、専門スタッフの増員とともに、学校や教員が専門スタッフと連携・分担して業務に当たる体制を整備していかなければならない。

教員に時間的な余裕ができれば、授業の準備や教材の研究に一段と力を入れることができる上に、学校内外での研修にも参加しやすくなる。何より子どもたちと向き合う時間が増え、一人一人の個性や学習状況に合わせた質の高い教育が期待できる。

一方、学校運営に地域の多様な人材が関わることで、学校を核とした地域づくりを進めることも可能だろう。

「チーム学校」を機能させるには、校長のリーダーシップが重要だ。副校長や教頭の複数配置のほか、学校の管理職と専門スタッフの"つなぎ役"を担う主幹教諭の配置促進、事務体制の拡充など、学校のマネジメント機能を強化していく必要がある。

「チーム学校」の要となるのは、あくまで教員である。政府は教員の人員確保と併せ、サポート体制を構築してもらいたい。

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