e外来生物対策 農作物や生態系に影響。侵入防げ

  • 2015.11.26
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年11月26日(木)付



人間が海外から持ち込み、日本に住み着いてしまった「外来生物」。中には、日本にもともと生息していた生物を捕食し、生態系を破壊してしまったり、毒を持ち、人に危害を加えるものもいる。今、そうした危険な外来生物の生息域が広がっており、対策を急がなければならない。


例えば、ツマアカスズメバチ。人を死に至らしめるほどの強い毒を持つスズメバチの一種で、東南アジア諸国や中国などに生息しているが、3年前、長崎県の対馬でも、その存在が確認された。


ツマアカスズメバチは、韓国にも生息域を拡大しており、韓国から日本に運ばれてきた木材などの貨物に紛れ、やって来たと見られている。


今夏には、北九州市でも巣が見つかり、本州での生息域拡大を懸念した環境省は今月、有効な駆除手段について検討する会議を開いた。


ツマアカスズメバチはミツバチを好物としている。対馬では、ニホンミツバチを利用した養蜂が盛んに行われているが、一つの養蜂業者だけで、年間、10以上の巣箱がツマアカスズメバチによって全滅させられているという。


このまま日本での生息域拡大を許せば、ミツバチの受粉を利用した農作物にも多大な被害が及ぶ。他のスズメバチに比べ、繁殖力が非常に強いといわれており、早急に駆除に向けた取り組みを本格化しなければならない。


環境省は今年2月、ツマアカスズメバチのような外来生物に加え、日本の一部で生息している動植物が人の手で国内の他の地域に運ばれ、新たに定着した地域で生態系の破壊などの問題を引き起こす「国内由来の外来種」も含めた約430種を選定した。国や自治体は、これらの侵入の監視や駆除の強化を進めていくことが重要となる。


そのためにも、まずは、空港や港湾のような物流や人の往来の水際で、外来種が持ち込まれていないかどうかをチェックし、発見した場合は、国や自治体に即座に通報できる体制を整える必要がある。


また、環境省は、外来種に対する国民の認知度が低く、侵入に気付かない恐れがあることも問題視している。外来種に関する情報の周知も徹底すべきである。

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