eコラム「北斗七星」

  • 2015.11.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年11月18日(水)付



みんなの党が路線対立の末に解党を決めてから、あす19日で1年になる。結党から5年余で党の歴史を閉じた。そして今、同じく第三極といわれる維新の党も、泥仕合を演じている◆両者には、強烈な個性を持った指導者が党運営を一手に担う「個人政党」の色彩が強い。その時々の世論の動向やマスコミ報道をにらみ、華々しいパフォーマンスを演じながら有権者にアピールする。党員や支持者の動きが見えてこないことも共通している◆「政党はすぐれた組織だけで成功することはないとしても、そうした組織なしには成功できないことは確かである」。1997年の英国総選挙で党史上最悪の大敗を喫した後に保守党党首に選出されたウィリアム・ヘイグ氏は、党勢の立て直しを審議する会議でこう述べたという。「野党とは何か」(吉田徹・編著 ミネルヴァ書房)で知った◆当時、保守党には党員の全国名簿さえなかったという。そこで、彼は党員の意見を集約し、党執行部と党員の連絡役を担う協議会を新設した。党の組織運営に関する全業務を指揮・監督する機関も創設するなど党基盤を着実に整え、やがて政権復帰を果たす◆めまぐるしく変わる時代状況にあって、国民の要望や地域の課題を的確に把握できる存在。党員こそ政党の財産であり、宝にほかならない。(明)

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