eコラム「北斗七星」

  • 2015.11.05
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年11月5日(木)付



今年は、核兵器廃絶のため英国の哲学者ラッセル卿が草稿を書き、米国の物理学者アインシュタイン博士が死の直前に署名した「ラッセル・アインシュタイン宣言」から60年。同宣言の「私たちは人類に絶滅をもたらすか、それとも人類が戦争を放棄するか」との問いかけは、今もなお人々の心をとらえて放さない◆この歴史的宣言を受け、2年後の1957年7月、ラッセルの提案により、宣言に署名した科学者たちがカナダの漁村パグウォッシュで会議を開催。これが「パグウォッシュ会議」の源流となった◆最初の会議に出席した科学者は10カ国24人。会場も村の小さな公会堂で質素な会議だったが、長崎市で開催中の「パグウォッシュ会議」第61回年次大会(11月1日~5日)には、約40カ国から200人近くが参加している◆今年は、広島・長崎への原爆投下から70年の節目に当たる。核軍縮の国際的状況に停滞も見られるなか、大衆福祉の実現とともに「核兵器のない世界」をめざし結成された公明党として、断固たる決意で核兵器廃絶を推進していく◆重要なのは「ラッセル・アインシュタイン宣言」の原点に立ち返り、「核兵器は絶対悪」との根源的な深い思想を全世界共通の思想としていくことだ。パグウォッシュは、インディアン語で「深い水」という意味である。(鈴)

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