eコラム「北斗七星」

  • 2015.11.02
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年11月2日(月)付



帰宅したら、妻がいない。所在なく犬と遊んでいると、買い物バッグをいっぱいにして帰ってきた。「スーパーで立ち話になって。気付いたら2時間話してた」。一体何を話しているのか聞いてみると、けっこう深刻な相談事もしている◆そんな経験の後なので、先日公表された厚生労働省の意識調査に目を引かれた。近所づきあいに関して、「お互いに相談したり日用品の貸し借りをする」ような人が近隣に「いない」との答えが66%、立ち話をするご近所すら「いない」が39%を占めた◆同じ調査によると、地域のつながりが10年前より弱くなっていると感じている人が36%、「変わらない」の39%に次ぐ(「人口減少社会に関する意識調査」から)。拒否しているわけではないが、せいぜい挨拶する程度という姿が浮かび上がる◆「夫が帰ってくるまで、誰とも話をしないっていう奥さんはいくらでもいる」とも妻は言う。そうなんだ。さらに追い討つ。「あなただって、自治会の当番に当たらなきゃ、近所の人たちと話す機会なんてほとんどないでしょう」。確かに◆片や、立ち話に数時間費やし、子どもの同級生やチームメートのお母さんたち、趣味の集まりの友人と日に数十本、メールのやりとりをしている。うーん、見習うべきか、素直に頭を下げるべきか。(繁)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ