e"攻めの農業へ"へ新ブランド米

  • 2015.11.02
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年11月1日(日)付



日本の底力を示す好例
佐藤政務官 「青天の霹靂」生産現場(青森)を視察



全国各地で、新ブランド米が相次いで誕生しています。青森県産の「青天の霹靂」は県産米としては今年初めて、おいしさを判定する食味ランキングで、最高評価の「特A米」【別掲参照】を獲得し、10月にデビュー。県や農業関係者は喜びに沸いています。"攻めの農業"の展開に向けた取り組みを紹介します。


「このコメは手応えがある。青森県でも、おいしいコメが作れることを証明できた。多くの人に食べてほしい」。青天の霹靂の生産農家の一人、古川寛三・JA津軽みらい特Aクラス米生産研究会会長は、その出来栄えに胸を張ります。


コメの粒はやや大きめ。粘りとキレのバランスが良く、上品な甘み。「冷めてもおいしい」のが特徴です。古川さんは、県の依頼を受けて2013、14年に試験栽培を行い、今年から本格生産を開始。ブランド米としての品質を維持するため、作付け地域は県内40市町村のうち、気候や土壌などが良好な平川市など12市町村に限定されています。


10月28日には、佐藤英道農林水産大臣政務官(公明党)が青森県の平川、黒石両市で、青天の霹靂の生産や開発の現場を視察しました。公明党の工藤俊広・黒石市議と小田桐慶二・弘前市議が同行しました。


佐藤政務官は「コメに対する消費者の関心を高める明るい話題になった。私も実際に食べてみて、おいしかった」と、古川さんの労をねぎらいました。


青天の霹靂――実直な東北人が斬新な名前を付けるほどの自信作の誕生には、約10年かかりました。この間、青森県ならではの寒さを克服。さらに、病気に強い品種に改良できたことで、散布する農薬の量を減らすこともできました。


黒石市にある県産業技術センター農林総合研究所では、既に10年先を見据えて青天の霹靂を上回る新品種の開発に着手しています。佐藤政務官は「日本農業の底力を示す好例だ」と語っていました。


「特A米」が4年で倍増
広がる新品種開発の動き


これまで、コメの産地といえば北陸や東北が中心でしたが、ここ数年で北海道や西日本からも評価の高い新ブランド米が続々と誕生しています。「特A米」は、10年産の20産地品種から14年産の42産地品種へと、4年間で倍増【グラフ参照】。新品種開発の動きは全国へ広がっています。


コメに関する幅広い知識を持つ「五ツ星お米マイスター」で、東京都内で米専門店を営む西島豊造さんによると、新品種開発の動きは20年ほど前から、全盛だったコシヒカリの後続を狙って始まりました。長年の研究を経て、5年ほど前から新ブランド米として店頭に並んでいます。


背景には、米価低迷や生産者の高齢化があります。さらに、環太平洋連携協定(TPP)への参加で、今後、海外産のコメに対しても、より競争力を高めるブランド化に注目が集まっています。


消費者の好みも多様化し、関心の移り変わりも早くなっています。


西島さんは「今の消費者は情報に敏感で、より価値の高い、新しいものを求めている。食べてもらうには、優れたマーケティングと品質の維持が重要」と話しています。


公明、輸出促進を後押し
石田祝稔政務調査会長


公明党は"攻めの農業"を掲げ、農林水産品のブランド化や6次産業化などを後押ししています。


近年、外国産米も食味が良くなる中、全国各地で活発な新ブランド米の"産地間競争"は、「おいしいコメを食べたい」という消費者のニーズに積極的に応えています。


TPPが先月、大筋合意し、いかに外国に輸出するかがカギです。特に食味や品質の面で、日本のコメには競争力があり、輸出拡大のチャンスといえます。世界中で「和食」が注目を集める中、和牛だけでなく、コメも最重要な食材とアピールすべきです。


公明党は輸出促進のため、農家や農協任せではなく、国として検疫体制の充実などの輸出戦略をまとめていきます。補正予算も含めて日本の食材を世界へ発信する仕組みづくりに取り組みます。


特A米


日本穀物検定協会がコメのおいしさを判定する食味ランキングで、最も高い評価を獲得した銘柄。「香り」や「外観」「味」「粘り」など6項目で試験され、5段階で評価。作付面積など基準に満たない品種でも、話題性のあるものは「参考品種」として評価されます。

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