eコラム「北斗七星」

  • 2015.10.09
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年10月9日(金)付



「くれぐれも塩分は控えめにしてください」。高血圧で受診しているクリニックの医師から毎回必ず念を押されるのが、日々の食生活での「減塩」だ。これがまた、分かっていても、なかなか難しい◆厚生労働省が示す基準では、今年4月から、1日当たりの食塩の目標摂取量が男性で9グラム未満から8グラム未満に、女性で7.5グラム未満から7グラム未満にそれぞれ引き下げられた。狙いは主に高血圧予防。日本人の食塩の平均摂取量は10.2グラム(2013年)と目標摂取量を大きく上回っており、減塩の必要性が増しているためだ◆だが、これまでの食品表示では、食塩の摂取が多いみそ、しょうゆなどの調味料や漬物、カップ麺といった加工食品は、食塩に含まれるナトリウムの量をメーカーが任意で表示してきた。このナトリウム量を食塩に換算するには2.54倍する必要があり、消費者には分かりにくかった。例えばナトリウム1グラムとあったなら、食塩相当量は2.54グラムとなる◆このため4月施行の食品表示法では、加工食品の栄養成分表示を義務化し、ナトリウム量は分かりやすい食塩相当量で「1食当たり2.2グラム」などと商品に表示するよう改められた◆新表示は猶予期間が5年あるが、施行から半年が過ぎ、新表示の商品も増えてきた。減塩の国民的高まりを期待したい。(翼)

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