e絵手紙で心に花を

  • 2015.09.30
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年9月30日(水)付



移動美術館で希望届ける
千葉・八千代市 → 岩手・大船渡市



仮設住宅の住民ら招き開催


「笑顔はね 君の一番の宝物だよ」―。絵手紙に描かれた四季折々の花や風景画と、優しく語り掛ける言葉が、見る人の心にそっと寄り添う。


東日本大震災で被災した岩手県大船渡市の市民文化会館でこのほど、「やちよ絵手紙の森美術館」(千葉県八千代市)主催の絵手紙展「こころに花を咲かせて」が6日間にわたって開催され、仮設住宅で暮らす住民ら約600人が来場した。


同美術館では、瀧下白峰さん(書)、むつ子さん(絵、エッセイ)夫妻が共同創作した絵手紙を展示している。これまでも地元の病院で患者に"生きる希望"を届けようと企画展を開いてきた。今回は「移動美術館in大船渡」と銘打ち、約80点が展示された。


「被災地で絵手紙が見られたら心の復興が進むと思う......」。ある日、被災した大船渡市の知人が瀧下夫妻に漏らした何げない一言。震災直後から救援物資を届けるなど支援を続けてきた夫妻の胸に、「被災地では今もなお、大勢の人が苦しみに耐えながら懸命に生きている。その一人一人に寄り添い、精いっぱい、力になりたい」との強い思いが込み上げる。


そして震災後に見た「怒濤のごとく荒れ狂う津波が押し寄せた湾とは思えないほど、静かな三陸の海」をモチーフに瀧下夫妻は作品を描き上げた。大船渡湾の絵には「今日を生き 明日を生きる 一日、一日...」との言葉が添えられた。その作品は「希望」と名付けられている。


そして瀧下夫妻は、「大船渡市で絵手紙展をやろう!」と思い立ち、同美術館の関係者でつくる実行委員会(大木基次会長)を立ち上げた。すぐさま、八千代市内の各地に募金箱を設置して「移動美術館」のための寄付金を募る活動などを始めた。


同美術館の副館長を務める公明党の正田富美恵・八千代市議は、横山秀明・千葉県議にも協力を求めた。大船渡市の森操市議とも連携し、移動美術館の実現を強く後押ししてきた。


開催初日、来場者は、心温まる言葉と筆遣いで描かれた絵手紙の前に立ち止まり、笑顔を見せる。その光景に「ふとした一枚の絵手紙が誰かの心に小さな希望をともせたならうれしい」とつぶやく瀧下夫妻の姿が印象的だった。


公明がネットワークの力発揮


オープニングの式典には、開催をバックアップしてきた公明党の角田秀穂衆院議員と横山県議、正田、森の各市議が出席。角田氏は大船渡市と八千代市との交流で絆が深まったことに触れながら、「両市が力を合わせ、国と地方のネットワークで復興加速に全力で取り組む」と決意を述べた。


今回の交流を機に横山県議、正田市議は、いまだ続く被災自治体の職員不足などに対応するため、定期的な職員派遣やスポーツ交流への取り組みに、さらなる意欲を燃やす。現地の課題解決へ奔走する森市議も、記憶の風化に抗し、復興加速へ各地の公明議員と連携を強めている。


誰かの為に生きること 愛すること 役に立つこと それが頂いた命の恩返し―同美術館のテーマだ。同じ思いで公明議員も、被災者に寄り添い続けることを誓っている。

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