e18、19歳の選挙人登録 転居3カ月でも投票できる改正を

  • 2015.09.28
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年9月26日(土)付



来夏の参院選を見据え、選挙権を持つのに投票できない法の不備を見直すことは喫緊の課題だ。


第189国会が25日、事実上閉幕した。通常国会で多くの重要法案が成立する一方で、自民、公明両党と次世代の党が共同提出した選挙人名簿の登録制度を見直すための公職選挙法改正案が審議されないまま終わったことは非常に残念だ。


来夏の参院選から18歳選挙権が適用されることを踏まえ、これと同時に同制度が見直されるよう、国会として引き続き努力していかなければならない。


選挙人名簿の登録に関して、現行法では転入した場合、3カ月以上住んでいる市区町村の住民基本台帳に登録された者が転入先で投票できる。しかし、現在は20歳の選挙権年齢に達する前後に他の自治体に引っ越してしまった場合、新住所に移ってから3カ月未満に国政選挙を迎えると、選挙人登録がされないために投票できず、問題となっている。


今国会での法改正によって、18歳選挙権が実現することになったが、「引き続き3カ月以上」という法律上の条件によって、投票できないケースが発生するとすれば、せっかくの貴重な「一票」の権利が行使されない。


18歳は高校を卒業して進学や就職などで新天地へ移動する割合が高い世代だ。こうした事情をくみ取って、法律を現実的に対応させていくべきである。


自公など3党の改正案では、18歳以上の有権者が、転居前の市区町村で選挙権年齢に達する前も含めて3カ月以上住んでいれば、引っ越し前の自治体の名簿に登録され投票が可能となる。現行法の不備を見直す案であり、18歳選挙権の法改正に賛成した野党各党も賛同できるはずだ。


来夏の参院選は早ければ来年6月にも公示される予定だが、周知期間を考慮すると時間は限られている。国会閉会中であっても、各党間の合意形成をめざした協議の場を設け、次期国会で速やかに改正案を成立させるべきだ。


選挙に初めて参加する10代が、来夏の参院選からスムーズに投票できる態勢を一刻も早く整えてもらいたい。

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