e平和安全法制 審議尽くし採決した参院特委

  • 2015.09.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年9月18日(金)付



平和安全法制の関連法案は憲法59条の60日ルールが使われることなく、参院の特別委員会で17日に可決された。


衆院では与党と次世代の党の賛成多数で可決されたが、参院特委の採決では、与党と日本を元気にする会、次世代の党、新党改革の野党3党が賛成した。


この合意がまとまったのは参院での審議の成果であり、与党が幅広い合意形成をめざして野党との協議に臨んだ努力が実ったものといえよう。


このように与野党の合意が広がったことも踏まえれば、採決をするための前提は整っていたと言える。


審議時間を見ても衆院は116時間、参院も約100時間で、国論を二分した国連平和維持活動(PKO)協力法の審議時間を超えた。


さらに質疑時間の与野党の配分比率を見ると、衆院では与党が約14%、野党が約86%。これに対して参院では採決前日までに与党が約23%、野党が約77%に上り、野党側に十分な審議時間が確保されたのは明らかだ。


与党と3野党は、自衛隊の活動について、国会承認や国会報告など国会の関与を強めることで合意し、その内容は閣議決定を含む手続きで担保されることになった。


安全保障は国の基本政策である。できるだけ国民の理解が広がることが望ましい。その意味で、与党と3野党の合意は高く評価できよう。


維新の党とは合意に至らなかったが、協議の中で示された提案や意見の内容は3野党との合意の中に「実質的に生かされている面がある」(公明党の山口那津男代表)。


こうした合意形成とは反対に、国会審議の中では「戦争立法」「海外派兵」、果ては「徴兵制に道を開く」など、国民の不安をあおることを目的としたレッテル貼りの議論が一部の野党に目立った。


パワーバランスの変化や軍事技術の革新など、最近の安全保障環境の激変ぶりを踏まえ、「日本の存立を全うし、国民の生命と平和な暮らしをいかに守るか」といった本来の安全保障論議が深められなかったのは残念だった。


対案も示さず、レッテル貼りの議論で廃案を繰り返すだけでは、国民的議論を喚起することにはならない。

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