e電力監視委員会 健全な市場育成し企業参入促せ

  • 2015.09.09
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年9月9日(水)付



電力小売りの全面自由化を消費者の利便性向上につなげなければならない。来年4月の自由化を前に、電力市場の適正な取引をチェックする「電力取引監視等委員会」が、経済産業相の直属組織として発足した。


自由化は大手電力会社の専売体制を転換し、多様な電力会社の市場参入によって、安定した電力の確保と供給をめざす三つの改正法の成立を受けての措置である点を忘れてはならない。60年ぶりの電力市場改革を成功に導く上で、監視委は"市場の番人"としての役割を、しっかりと果たすことが求められる。


監視委は権限として、電力会社への抜き打ちでの立ち入り検査や業者間のトラブル仲裁のほか、小売り業者の登録審査を行うことが認められている。約16兆円といわれる日本の電力市場には今後、外資系企業も含めて数多くの新規企業の参入が見込まれよう。1998年に全面自由化に踏み切ったドイツでは、当初100社以上が新規参入している。


産業から一般家庭の日常生活まで支える電力は、医療と同じく高い品質の確保が必要不可欠だ。顧客獲得に向けた市場競争が繰り広げられる中では、消費者の判断を惑わすような誇大広告などが横行するかもしれない。消費者の利益を損なうような行為は見逃さないとの強い姿勢で監視に臨んでほしい。


また、監視委の重要な役割の一つとして、送配電網の利用料金の審査がある。新たに参入する電力会社の発電事業は、既存の電力大手が占有する送配電網を大手自ら設定する使用料金を支払って借りることになるが、料金水準次第では新規企業の参入が進まない恐れがある。


昨年は、太陽光発電事業者による送配電網への接続が一時的に中断される問題が起きたばかりだ。監視委の委員には弁護士のほか、公認会計士や経済学者ら企業経営に詳しい専門家も就いた。料金の審査に当たっては、大手電力会社と新規参入企業の双方にとって妥当な水準を示すことが必要だ。


東日本大震災以降、高止まりする電力料金を抑制するためにも、健全な電力市場の育成に努めねばならない。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ