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  • 2015.08.24
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年8月22日(土)付



「十数年前に経験した母の介護は、本当に必死の思いでした」。知り合いの2児の母親から、子育てと介護の両立の大変さを聞く機会があった。当時、5歳と2歳の子の育児に追われていたが、実家の母が脳梗塞で倒れ要介護の状態に◆子どもを連れて電車を乗り継ぎ、片道2時間をかけて自宅と病院を往復。退院後、自宅での介護を経て介護施設に入所するまでの約1年間は、「ああ、やっと一日が終わったと、疲労困憊でした」◆晩婚化に伴い出産年齢が上がり、子育て中に親の介護に直面する「ダブルケア」が増えている。昭和50年ごろの最初の子どもを産む年齢は平均約25歳。親の介護が必要になっても、子育てが一段落してからという"シングルケア"の時代だった◆今では第1子出産の平均年齢は30歳を超す。子育てと介護の時期が重なる可能性がぐんと高くなった。6歳未満の子を持つ母親の約1割が、介護に携わっているとの調査もある。家庭の支え手は女性という意識が根強く、負担は女性に偏ってしまう◆ダブルケア中の女性は、誰に相談していいかも分からず孤立しがちだ。子育て、介護それぞれの行政の窓口とは別に、ダブルケアになったときは、ここに相談をという行政窓口があれば安心できる。企業や地域社会も巻き込んだ二重三重の支援体制が急がれる。(辰)

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