eコラム「北斗七星」

  • 2015.08.10
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年8月8日(土)付



1890年9月、トルコの軍艦「エルトゥールル号」が和歌山県沖で遭難。地元住民が献身的な救助活動を行った。これが今に続く日本とトルコとの友好関係の礎になった◆1985年3月、イラン・イラク戦争の影響を受け、諸外国は自国民救出のためイランへ飛行機を飛ばしたが、日本は民間機も自衛隊機も派遣できず、邦人200人以上が孤立。このときトルコは、2機の救出機のうち1機を日本人に充て、乗せられなかった自国民を陸路で脱出させた◆トルコによる邦人救出は「エルトゥールル号の恩返し」と言われている。これを題材にした小説「海の翼」(秋月達郎著、PHP文芸文庫)の中に、トルコ首相が「人は、ひとりでは生きていけない」と語る場面がある◆日本が、一国だけで国民の生命・財産を守ることは難しい。国会審議で同志社大学の村田晃嗣教授は、平和安全法制について「日米双方が一層緊密に協力することで抑止効果が生まれる」と評価。また「戦後の日本外交は、アジア外交がうまくいって日米関係も良くなっている」とも指摘した◆抑止力とともに外交力も不可欠だ。東京財団の渡部恒雄上席研究員は本紙に述べている。「中国や韓国にとって、歴史的に深いつながりと信頼関係を持つ公明党が連立政権にいる安心感は計り知れない」と。(幸)

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