eコラム「北斗七星」

  • 2015.08.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年8月7日(金)付



他人のたばこの煙を吸う「受動喫煙」が原因で、非喫煙者が肺がんや心筋梗塞になり、年間約6800人が亡くなっている。うち約半数は職場の受動喫煙―。これは、厚生労働省の研究班が公表しているデータである◆以前であれば、「嗜好品の問題、あまり目くじらを立てず」と、やり過ごされた話かもしれないが、発症のメカニズムが明確になっている以上、具体的な手を打つのは当然のことだ◆確かに、国内では職場や公共のスペースの分煙は浸透してきた。だがこれも、吸う場所が別になっただけで、有害物質を伴った煙が否応なしに漂う環境は、改善されていないに等しい◆公明党の、がん対策推進本部が3日、がん対策充実に向けて、厚労相に提言を申し入れた。受動喫煙防止対策も重点項目の一つに挙げる。年内中に政府がまとめる「がん対策加速化プラン」は、がん対策の国家戦略になる。提言は、そこへの反映を踏まえた内容だ◆不治の病だったがんは、医療の進歩で生存率は飛躍的に向上した。予防策を強化することで発生を防ぎ、死亡者減へ治療や研究体制を拡充する。就労支援を含め、がんと共に生きる社会を構築していく。これからのがん対策は予防、対処、共生の三本柱。公明党は時代の変化を捉えつつ、命を守る戦いに、さらに力を注ぐ。(広)

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