e地域医療構想 在宅療養の体制整備も不可欠

  • 2015.07.16
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年7月16日(木)付



団塊の世代が75歳以上を迎える2025年に、どのような体制で医療を提供するのかを示す「地域医療構想」の策定作業が都道府県で本格化している。


同構想は、複数の市町村からなる2次医療圏(入院や救急医療など一般的な医療を、その圏内で受けられる地域)を基本に10年後の医療需要を推計。必要な病床(ベッド)数を、救急などに対応する「高度急性期」、通常の重症患者向けの「急性期」、リハビリ患者らを受け入れる「回復期」、長期療養向けの「慢性期」の四つの機能ごとに定める。


現在、全国の医療機関の病床は、高度急性期と急性期を合わせると6割を超すが、回復期は約1割に過ぎない。しかし今後、人口の高齢化に伴い、骨折など高齢者に多い病気が増え、リハビリを行ったり、自宅に戻れるよう治療する病床の需要が伸びると予想される。


医療サービスを効率的に提供するには、需要予測との開きを埋める取り組みが欠かせない。都道府県は病床機能の転換を促すため、調整会議で医療関係者と協議した上で、基金を設けて支援を行う。


ただ、病床の再編は医療機関の経営に関わり、容易に結論が出にくい。医療機関と粘り強く協議を重ね、構想の実現をめざしてほしい。


一方、人口減少に伴う病床数の削減も構想の策定作業で議論となる。内閣府は検討材料として、41道府県で最大20万床の病床が不要になるとの推計を公表している。


病床が過剰であれば見直しは必要だろう。しかし、病床数が不足して、行き場を失う患者が出るようなことがあっては本末転倒である。


在宅療養などの受け皿づくりが不可欠となる。


神奈川県横須賀市は、在宅療養の充実に向け、11年度から医療と福祉の両分野の関係者が連携を深める連携会議などを開催。市内を4ブロックに分け、ブロック内の複数の医療機関が在宅診療をカバーし合う体制づくりを進め、手厚いケアにつなげている。参考になる取り組みだ。


一口に医療といっても、地域によって課題は違う。各都道府県は超高齢社会に適した安心できる将来像を示してもらいたい。

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