e国際法上の評価も重要

  • 2015.07.13
  • 情勢/国際

公明新聞:2015年7月11日(土)付



維新案で上田氏

武力攻撃危機事態でただす



10日の衆院平和安全法制特別委員会で公明党の上田勇氏は、維新の党が8日に衆院に提出した「平和安全法制」関連法案の対案について維新側の考えを聞いた。


上田氏は、日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生した際に、自衛の措置の新3要件に基づき自衛隊に武力行使が認められる政府案の「存立危機事態」と、維新案の「武力攻撃危機事態」の関係について質問。特に、存立危機事態に基づく自衛権の行使が「国際法上は集団的自衛権が根拠となる場合がある」としていることを示し、維新案の武力攻撃危機事態に基づく自衛権の行使が国際法上どう評価されるか明確にするよう求めた。


維新の党の小沢鋭仁氏は、維新案の国際法上の根拠が「個別的自衛権だと言い張っているのではない」「集団的自衛権の行使であるという評価を受け得ることを否定するものではない」と述べるにとどまった。


加えて上田氏は、政府案が自衛隊による米軍等の武器等防護を認めているのに対し、維新案は認めていない点について言及。自衛隊が米国と共同で警戒監視や情報収集を行う際に米軍が攻撃を受けた場合、現行法では防御できない事実を指摘した上で、最小限の防護を可能にすることは「日米同盟の信頼感を維持、向上させる上でも重要な課題だ」と訴えた。


安倍晋三首相は、武器等防護の拡大により「自衛隊と米軍による連携した警戒態勢等の強化につながり、日米同盟の抑止力、対処力は一層強化される」と、意義を強調した。


さらに上田氏は武力攻撃に至らないグレーゾーン事態への対処に関し、民主、維新の両党が共同で「領域警備法案」を衆院に提出したことを念頭に質問。政府が法改正を行わず、海上保安庁など警察機関と防衛省の連携強化や海上警備行動の発令手続き迅速化など運用改善で対応することが適切と判断した理由を聞いた。


安倍首相は、今年5月の閣議決定で、不法行為に対する切れ目のない十分な対応を確保する体制を整備しており、「現時点では新たな法整備が必要とは考えていない」と語った。

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