e大会成功へ準備の加速に期待

  • 2015.06.29
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年6月27日(土)付



五輪担当相



2020年の東京五輪・パラリンピックの準備作業が本格化する。


25日、閣僚の定員増を盛り込んだ特別措置法の施行に合わせ、五輪担当相が任命された。就任した遠藤利明新担当相を中心に、大会の成功に向けた取り組みの加速化を期待したい。


専任の五輪担当相は1964年の東京大会でも置かれたが、状況は当時と大きく異なる。参加国・地域数や実施競技数は拡大し、テロ対策やサイバーセキュリティーへの対応など課題は複雑化している。今後、警察庁や外務省など複数省庁との調整に当たるが、準備作業の旗振り役として強いリーダーシップを発揮し、効果的な対策を打ち出すことが望まれる。


五輪担当相は、政府や東京都、東京五輪・パラリンピック組織委員会、関係スポーツ団体などをつなぐパイプ役も担う。関係者の合意を形成していくには、担当相の手腕が相当必要になるだろう。


12年のロンドン大会でも担当相が設置されたが、各機関の役割を明確に規定した上で、緊密な連携で大会を成功に導いた。英国の経験から学べる点は多いのではないか。


近年の五輪は「レガシー(遺産)」の創出が問われている。国際オリンピック委員会も重視する取り組みで、開催都市や開催国だけではなく、大会による有形、無形の効果を世界に残せるかが焦点になる。組織委員会は、指針となる「アクション&レガシープラン」を16年に策定する。担当相は、実効性のある計画策定をサポートしてもらいたい。


来秋には、キックオフイベント「スポーツ・文化・ワールド・フォーラム(仮称)」が開催される。スポーツや文化による国際貢献やレガシーのあり方について議論され、東京大会への機運を高める重要な国際会議だ。詳細は今後、開催自治体などと協議する予定だが、担当相は、大会成功への確かな一歩となるよう準備に万全を期してほしい。


就任に際して遠藤担当相は、被災地で競技を開催して「復興五輪」をアピールする考えを示したが、復興の弾みともなり得るもので、被災自治体の理解を得ながらぜひ実現させたい。

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