e安保環境の変化に対応

  • 2015.06.23
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年6月23日(火)付



遠山氏に森本参考人

隊員のリスク管理可能



衆院平和安全法制特別委員会は22日、「平和安全法制」の関連法案に関する参考人質疑を行い、公明党の遠山清彦氏が、安全保障環境の変化に伴う法整備の必要性について見解を聞いた。


公明党が推薦した元防衛相の森本敏拓殖大学特任教授は、海洋や宇宙空間が安全保障上の戦略的領域となり、兵器の精密度や破壊力が増して、射程も伸びてい
ることから脅威の予見が難しくなっていると説明。安保環境が複雑になり、「一つの国だけで守れない環境の中で、従来の対応ではやっていけなくなりつつある」と指摘し、「平生から法律上の根拠を明確にして自衛隊の体制を整えることが安保法制の最も重要な肝になる」と述べた。


一方、遠山氏は、新法の国際平和支援法案による自衛隊の海外派遣に関し、国連決議を絶対条件としたことをはじめ、「例外なき国会の事前承認」を必要とす
るなど、公明党がかけた「歯止め」の重要性を確認。その上で、海外に派遣される自衛隊員のリスクについての認識を聞いた。


森本氏は隊員の安全確保へ向け、規則や訓練、関係諸国との事故防止協定や情報交換の重要性を訴え、「トータルなものとしてリスクの管理ができる」と答え
た。


森本氏は意見陳述の中で、「現状と将来の安全保障環境の中で、国の存立、国民の安全を効果的に守るために、周辺諸国の脅威に対応する十分な体制が今の法
体系では必ずしもできていない」と、法整備の必要性を強調。さらに、「日米同盟は日本の安全保障の基盤。アメリカの『リバランス(再均衡)』(政策)をどのように同盟国として補完し、抑止と対応の能力をつけることができるかが、この法制の抱えている最も重要な命題だ」と発言した。


また、西修駒沢大学名誉教授は、自衛の措置の新3要件について、「限定的な集団的自衛権の行使容認で、明白に憲法の許容範囲だ」との認識を示した。


一方、元内閣法制局長官の阪田雅裕氏は意見表明で、朝鮮半島有事の際に、日本への攻撃が必至な状況で武力行使を可能にするものと理解する限りでは「今回
の法案で可能になる集団的自衛権の限定的な行使が、これまでの政府の憲法9条解釈と論理的に全く整合しないものではない」と指摘。この問題について遠山氏は、新3要件の下で認められる自衛の措置が、「わが国の国民の生命、自由、権利が覆されるということが明白な場合というふうに(限定)している」とし、「今までの政府の憲法解釈と論理的整合性はある」と訴えた。

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