e地方創生関連2法 雇用を創出し人口流出止めよ

  • 2015.06.22
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年6月22日(月)付



地域活性化策を盛り込んだ改正地域再生法と第5次地方分権一括法が19日成立した。


人口減少や東京一極集中の是正のため、国による総合戦略の策定などを定めた「まち・ひと・しごと創生法」(昨年11月成立)に続き、地方創生の実現を加速化させるための関連2法である。多くの自治体では、地方版総合戦略の策定に向けた議論が本格化している。地方創生関連2法の支援メニューを積極的に取り入れた戦略を練ってもらいたい。


地方の若者が、仕事を求めて都市部へ流出する動きがなかなか止まらない。これによって、地域の活力はますます奪われ、人口減少に拍車を掛けている。悪循環を食い止めるには、若者が安心して働くことができる雇用の場の創出を急がなければならない。


そこで、改正地域再生法は、企業が東京23区から地方にオフィスを移転したり、地方にある企業の本社機能を強化した場合に、法人税を軽減する特例措置を盛り込んでいる。雇用を増やした場合、納税額を減らす「税額控除」の支援措置も設ける。


一部の企業には早速、この税制優遇の活用を検討する動きもあり、企業の地方進出に弾みを付けていきたい。


自治体の中には、本社機能を拡充する企業に対して、独自の補助金制度やオフィス賃料を助成する制度を創設しているところもある。企業が地方への魅力を感じられるような創意工夫が一段と求められよう。


一方、国の事務や権限を自治体に移すことを促す第5次地方分権一括法にも、企業を呼び込むことにつながる権限移譲が明記されている。


例えば、4ヘクタールを超える大規模農地の転用をする場合、これまでは国の許可が必要だったが、国と協議の上で都道府県が許可できるようになる。国の判断に時間がかかり、企業誘致などに支障が出ていた課題が解消されると期待されている。


円高の是正などを背景に、海外に生産拠点を移していた製造業が、国内回帰を探る傾向が目立ってきている。地方にとっては追い風になろう。


この地方創生関連2法を活用し、人と企業の流れを変える契機としていきたい。

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