e通関手続きの簡素化 貿易促進へ日本が途上国支援を

  • 2015.06.09
  • 情勢/経済

公明新聞:2015年6月9日(火)付



貿易は経済を発展させるとともに、生活を豊かにする。輸出により、自国の製品が世界中で売れるようになり、輸入により、自国にない物を他国から取り寄せ、買うことができるようになる。それ故、世界の貿易取引量は年々、拡大を続けている。


世界貿易機関(WTO)によると、2013年の世界の貿易額は輸出、輸入ともに18兆ドル(約2260兆円)を超す。1990年には約4兆ドル(約500兆円)であったから、20年余で4倍以上も増大したことになる。


貿易をさらに拡大し、世界の経済成長を進めていきたい。日本は今月、WTO協定改正議定書を批准した。同議定書は、通関手続きの簡素化について定める貿易円滑化協定を追加したものである。


通関手続きをめぐる問題は、貿易を妨げる主因の一つになっている。特に途上国に輸出する際、税関での手続きで賄賂を要求されたり、税関通過までに不当に時間がかかるなどのトラブルに見舞われることが少なくない。


そのため、同議定書では、各国の通関手続きの電子化や単一窓口化を進め、スムーズな通関業務が行える体制整備を進めると同時に、そのための途上国支援を先進国が行うよう求めている。


127カ国から約7400の企業が参加し、貿易の促進をめざす国際商業会議所などの試算によると、通関手続きの簡素化で、世界の輸出額は約1兆ドル(約125兆円)増大するという。


同議定書は未発効で、批准国が日本のほか、米国、香港、シンガポールなど6カ国にとどまっているのは残念だ。


日本貿易振興機構(ジェトロ)の調査によると、ここ20年間で、日本の東南アジア諸国連合(ASEAN)など途上国向けの貿易は、3倍以上に増えている。政府は、同議定書の批准を、貿易相手国に働き掛けてもらいたい。


日本は「輸出入・港湾関連情報処理システム(NACCS)」を税関に導入し、通関手続きを電子化。年間約3500万件の輸出入申告の98%以上をNACCSで処理しており、途上国の参考になる。貿易の促進に向け、日本が率先して途上国の通関手続きの簡素化を支援してほしい。

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