eサイバー対策強化を

  • 2015.06.08
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年6月6日(土)付




年金情報流出 再発防げ 

口永良部島噴火 避難者支援きめ細かく
山口代表が政府に要望



政府と自民、公明の与党両党は5日午後、首相官邸で連絡会議を開いた。席上、公明党の山口那津男代表は、日本年金機構がサイバー攻撃を受けて約125万件の個人情報が流出した問題について「個人情報を扱う公的機関としての自覚を欠く対応は残念でならない」と述べ、徹底した原因究明と再発防止を強く求めた。


安倍晋三首相は「国民の皆さまに不安を与えていることを大変申し訳なく思っている」と陳謝し、「現在、年金受給者のことを第一に考え、万が一にも年金の支払いに影響が出ないよう対応に万全を期している」と強調した。


また、山口代表は来年1月から実施される社会保障と税の共通番号(マイナンバー)制度にも懸念の声が上がっていることに触れ、「マイナンバーの円滑な運用には国民の信用が欠かせない」と指摘。政府の機関を標的にするサイバー攻撃が相次ぎ、手口も巧妙化していることに対し、「政府が一体となって抜本的なサイバーセキュリティー対策を講じることを強く求めたい」と訴えた。


安倍首相は「(情報流出の)実態把握や問題の検証を徹底的に行い、再発防止対策やサイバーセキュリティー対策にしっかり取り組んでいく」と語った。


鹿児島県・口永良部島での噴火災害について、山口代表は事態の長期化が想定されることから「新岳の観測態勢を強化し、政府を挙げて万全の態勢をつくってもらいたい」と要請。住まいの確保を含む生活支援など、避難者の要望に即したきめ細かい支援も求めた。


一方、安倍首相は、7日からドイツで開催される先進7カ国(G7)首脳会議(サミット)の前にウクライナを訪問する外遊日程に言及。同国のポロシェンコ大統領と会談し、ウクライナ情勢の平和的解決に貢献したいと述べるとともに、G7サミットでは世界経済や気候変動などの課題で率直に意見交換し、「来年、日本で開催するサミットにつなげたい」と力説した。


山口代表は、ウクライナとの関係強化や情勢安定化に向けた経済支援、人道支援のほか、「ロシアとの平和的解決に向けた対話を促すなど、積極的な役割を期待したい」と強調。G7サミットで気候変動や国際テロ対策などについて、「先進国が結束して取り組む姿勢を国際社会に示すことが大事だ」と強調した。




二次被害防止に万全期せ


「変更」時は本人確認徹底

輿水氏の訴えに年金機構



衆院厚労委衆院厚生労働委員会は5日、日本年金機構の個人情報流出問題について集中審議を行い、公明党の輿水恵一氏は、再発防止と年金の"なりすまし受給"など二次被害防止に全力を挙げるよう訴えた。


輿水氏は、5月8日に不審メールを受信して以降の同機構の対応が遅れたことについて、「即座に大臣ら政務三役に報告が上がり、総合力で被害を防止する行動をとるべき」と指摘。流出情報が悪用され、年金が横取りされるような事態は絶対にあってはならないとして、なりすましによる二次被害防止に向けた具体的な取り組みを聞いた。


同機構の水島藤一郎理事長は、住所や年金振り込み口座の変更依頼が郵送や委任状で行われた場合でも、「基本的なルールを定め、そのルールを外れた場合は全て訪問によって本人確認を行う」と答えた。


また輿水氏は、「今回の問題は国民全体に不安をもたらしている」と訴え、詐欺被害の防止へ自治体や警察との連携も必要だと強調した。


塩崎恭久厚労相は「機構に任せきりにせず、厚労省が責任を持って指導、支援していく」と説明。第三者による検証委員会の初会合を8日にも開くとし、「信頼回復に全力投球していく」と述べた。




国民不安解消へ総力 党合同会議



公明党の内閣、厚生労働両部会とサイバーセキュリティ戦略委員会は5日昼、衆院第1議員会館で合同会議を開き、基礎年金番号などの情報流出について、関係省庁や日本年金機構と対策を議論した。


年金情報流出への対策を議論した党合同会議=5日 衆院第1議員会館席上、厚労省側は、電話窓口に寄せられた不安の声を基にQ&Aを作成し、早急に同省のホームページに掲載する考えを示した。


また、どの時点で情報が流出したのかなどについては、今後の検証で明らかにしていくと説明。年金記録を管理する基幹システムに関しては「情報の流出は確認されていないが、引き続き監視する」と述べた。


一方、警察庁は「1日から4日午後3時までに、年金に関する不審電話が80件あった」と報告した。


議員らは、二次被害防止策の着実な実行や、各省庁と内閣サイバーセキュリティセンター(NISC)との連携強化などを訴えた。

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