e山口代表の演説要旨

  • 2015.05.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年5月2日(土)付



参院選挙制度 各党、早期合意へ努力を

日本国憲法3原則



憲法が施行され、3日で68年。「恒久平和主義」「基本的人権の尊重」「国民主権」の3原則は、永久に守らなければならない基本的な価値だ。3原則は、人類の生存の下に、個人の尊厳を保ち、幸福追求の権利を保障するという、人権を全うできることが最大の目標だ。その人権を根底から覆すものが核兵器であり戦争だ。だからこそ恒久平和主義を掲げ、保っていかなければならない。



核兵器廃絶



今年は戦後70年。広島、長崎に原爆が投下されて70年という大きな節目を迎える。人類の生存を脅かす核兵器。その唯一の被爆国として、人類の生存、人権を脅かす核兵器の廃絶を、日本は叫ぶ責任と権利がある。核不拡散のあり方をめぐって、NPT(核拡散防止条約)再検討会議が行われている最中だが、核廃絶に向けて大きな一歩をしるしていかなければならない。


このほど発出された日米共同声明の中で、画期的な認識が日米で共有された。それは、核兵器がなぜいけないのかといえば、非人道的な被害をもたらすからだという認識だ。これは核廃絶をリードする理念として画期的な意義がある。これからも核廃絶へ「非人道性」を根拠に取り組み、廃絶を達成しなければいけない。恒久平和への具体的な目標として、核廃絶を公明党はめざしていく。



人間の安全保障



基本的人権の尊重は、日本人のみならず、世界の人々の個人の尊厳に結び付いていかなければならない。われわれは、その象徴として「人間の安全保障」の実現をうたってきた。国家間の安全保障は、根本をたどれば、各国の国民、地球に生を営む人々に対する「人間の安全保障」を全うするための国家間の仕組みになる。その実現には、テロ、自然災害、感染症、気候変動にも立ち向かう取り組みが重要だ。世界の国々が国連憲章の精神に基づき、力を合わせて「人間の安全保障」を実現していく。これこそ憲法の理念にかなう。


今、安全保障法制が議論されているが、そうした大きな理念に基づいて、自国を守るための制度や国際社会の平和と安定を保つための制度、自然災害の緊急支援を行う制度などを体系的に隙間なく整備し、憲法の理念を現実的に活用できる実践を貫いていきたい。



選挙制度改革



憲法の理念が実現されていない課題が選挙制度だ。特に参院は、最高裁から投票価値の不平等が違憲状態だと断罪されている。参院は制度の抜本的改正を決めているが、実現していない。来年の選挙を憲法違反の状態にならないようにするには、通常国会で制度改正する必要がある。合意形成に向け、各党各会派が一丸となって努力し、結果を示さなければならない。



憲法改正論議



公明党は今の憲法はいい憲法であり、さらにいいものを加えていこうという「加憲」の考え方に立っている。これから加憲の内容について、さらに議論を深めていきたい。憲法改正を議論するにしても、改正そのものが目的でなく中身が大事だ。改正の期限ありきでもない。国民と共に議論し、国民と考え方を共有することによって、憲法改正が実現できる。まずは国会の議論を深め、国民的論議を深めていきたい。

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