eひとり親の自立後押し

  • 2015.04.17
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年4月17日(金)付



高卒認定試験合格めざし 受講費用を6割補助

「貧困の連鎖」に歯止め



厚生労働省は4月から、ひとり親家庭の支援の一環として親の学び直しをサポートする事業を新たに始めた。


2011年度の全国母子世帯等調査によると、ひとり親世帯の親の最終学歴は、約13.8%が中学卒。このうち母子世帯の母親の就労収入は、平均で181万円(年間)にとどまる。雇用形態もパートやアルバイトといった非正規雇用が47.4%を占める。


同事業では、親から子への「貧困の連鎖」を断ち切り、より良い条件で就職や転職を行うためには、高校卒業と同程度の学力は必要との判断から、ひとり親の学び直しを支援。正規雇用を中心とした就業に結び付けることをめざす。


具体的には、中学卒業や高校中退の親で、高校卒業程度認定試験(旧大検)合格をめざしている人に対し、通信講座を含めた受講費用の最大6割(上限15万円)を補助する。


一方、ひとり親が看護師や介護福祉士など、経済的な自立に有効な資格取得も支援。2年以上、養成機関で訓練を受ける場合、生活費の負担軽減のために市町村民税非課税世帯には毎月10万円、課税世帯には7万500円を2年間支給する。厚労省の担当者は「いずれの制度も市区町村が実施するので、利用を希望する場合は、地元自治体の担当部局や福祉事務所まで問い合わせを」と話している。


ひとり親世帯の支援について公明党は、13年の参院選で保護者の就労支援を重点政策に掲げたほか、厚生労働部会なども政府に対し、就職に向けた知識の取得支援など、総合的な支援制度の構築を訴えていた。

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