eコラム「北斗七星」

  • 2015.04.02
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年4月2日(木)付




「己を律するは宜しく秋気を帯ぶべし 世を処するは須く春風を帯ぶべし」。明治維新の立役者の一人、勝海舟が孫の妻、たつに与えた処世訓。これが絶筆の書となった◆同書は、名古屋市博物館企画展「エピソードでたどる書の散歩道」(5日まで)で展示され、解説では幕末の漢学者、佐藤一斎の寸言「春風を以て人に接し、秋霜を以て自ら粛む」(『言志後録』)と同じ内容を海舟流に言い換えたものと推察している。自身に厳しく、人には春風のように温かく応対を、との教えは政治にも通じる◆公明党が2014年度補正予算に盛り込ませた「地域消費喚起・生活支援型」交付金は地域に"春風"を吹き込んだ。同交付金は各自治体が柔軟に使えるため、行政も知恵を絞り、プレミアム付き商品券の発行など施策は多彩に◆三重県菰野町は子育て支援に役立てた。低所得世帯を対象に、4月に町内中学校に入学する新1年生が使う通学用自転車1台分の全額(上限4万円)を給付し、喜ばれた。来年4月に中学校入学予定の児童がいる世帯にも給付する計画◆同町では中学校通学に自転車が欠かせない。そこで町は交付金を自転車購入費用の負担軽減に活用した。新1年生全員が新しい自転車で通学をと願い、子育て支援に努めてきた町職員にも温かい春風が届いた。(典)

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