eコラム「北斗七星」

  • 2015.03.30
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年3月28日(土)付




多くの日本人が愛し、格別な思いを寄せる花、それが桜だ。代表格のソメイヨシノは、江戸時代の末期に江戸・染井村の植木屋が売り出した。全国に広まった時代は、幕藩体制が終わり、東京を首都とする中央集権体制が確立されていく時期と重なる◆ただ、森林生態学が専門の農学博士、勝木俊雄氏は「東京に対抗意識を持つ都市、例えば京都や大阪では比較的、少ないように思われる」(「桜」 岩波書店)という。関西の人々のこだわりは本当なのか。開花宣言が出たばかりの大阪に飛んでいき、調べたくなるような興味深い話だ◆染井村は、現在の東京都豊島区にあった。民間機関が東京23区で唯一、人口減少によって消滅の可能性があると推計した自治体である◆同区は今、完成した新庁舎を区民に公開中だ。区役所の上層部に、民間マンションを併設した超高層複合ビルで高さは約190メートル。老朽化が進み、耐震性や防災面からも不安が多い現庁舎に代わる建物である。財政事情を考え、マンションの販売や現庁舎の跡地の活用などで事業費を賄った。一度は建設を断念する状況に追い込まれるが、見事やり遂げた。素晴らしいアイデアと執念に拍手を送りたい◆地方創生は、自治体の知恵比べでもある。地域再生の妙案を探し続ければ、地道な努力は必ず花開き実を結ぶ。(明)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ