e党福島県青年局 宇宙教育フォーラム

  • 2015.03.18
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年3月18日(水)付




被災地の子どもに夢を



「子どもの未来と宇宙を語る」をテーマに、公明党福島県本部青年局(但野光夫局長=郡山市議)は福島市で7日、宇宙教育フォーラムを開いた。「日本宇宙少年団福島分団きぼう」との共催。参加した被災地の子どもたちは、"宇宙教育の父"と呼ばれる宇宙航空研究開発機構「JAXA」の的川泰宣名誉教授の講演やパネルディスカッションに目を輝かせ、憧れの宇宙へ大きな夢を膨らませた。(東日本大震災取材班)



平和を愛する人に 的川氏

何事も実体験から 大野氏
挑戦し続けてこそ 伊佐氏
団結の精神育んで 新妻氏




冒頭、福島分団きぼうのメンバーが活動報告。科学実験やJAXAの施設見学などを通して知識を深めてきたことを発表し、「これからの"宇宙時代"を生きる一人として、少年団の活動を頑張りたい」と決意を述べた。


続いて的川氏が「はやぶさの挑戦と人間教育から見た宇宙」と題して講演【→要旨】した後、シンポジウムを展開。同分団でリーダーを務める党県青年局の丹治誠局次長(福島市議)の進行で、的川氏と天文ジャーナリストの大野裕明分団長、公明党の伊佐進一衆院議員、新妻秀規参院議員がパネリストとして熱く語り合った。

 

的川氏は、日本の宇宙教育について「人間教育が軸にある」と力説。その基礎は、学校だけでなく地域や社会にあることを指摘し、たくさんの子どもたちが切磋琢磨する少年団の意義を訴えた。


大野氏は、父親が買ってくれた望遠鏡がきっかけになって天体観測に没頭した少年時代を振り返り、「何事も実体験が大事。自分の目で見て、天文への関心をさらに高めてほしい」と念願した。


文部科学省職員時代に宇宙開発政策に携わった伊佐氏は、日本初の女性飛行士である向井千秋さんのエピソードを紹介。向井さんがチャレンジ精神を持ち続け、医師から宇宙飛行士へ"転身"を遂げたことに触れ、「一度は無理だと思ったことも、夢を持って挑戦し続けることからすべて始まる」とエールを送った。


航空宇宙部門の技術士資格を持つ新妻氏は、日本人として初めて国際宇宙ステーションの船長を務めた若田光一さんの活躍を称賛。さまざまな国籍の乗組員を一つにまとめ上げた話を通して、若田さんの持つ「和の心と卓越した人間力」を強調し、「少年団の活動でチームワークの心を育もう」と呼び掛けた。


結びに的川氏は、古代ギリシャ時代に、オリンピックが国家間の戦争を止める"聖域"としての役割を果たしたことに言及。宇宙政策の成功へ、世界の国々が協力している点を挙げ、「戦争の抑止力となる素晴らしい宇宙プロジェクトを作って、平和をめざしてほしい」と締めくくった。



復興の姿、世界へ



シンポジウムでは、2020年の東京五輪の開催も話題に。多くの夢を乗せた小惑星探査機「はやぶさ2」が同じ年に帰還することから、「困難を乗り越えて、福島復興の姿を世界へ発信しよう」と誓い合った。


来賓あいさつでは杉昭重・県教育長がフォーラム開催への感謝の意を表明。「子どもの特性を見つけるために、保護者はいろいろな経験をさせてあげてほしい」と語った。会合に駆け付けた党東北方面本部青年局長の真山祐一衆院議員は「震災を経験した福島の地から世界へ大きく羽ばたき、活躍する人材が生まれることを確信している」と"福島っ子"たちの成長に期待を寄せた。


終了後、参加者からは「的川先生の話に感動した。将来はロケットを造りたい」(小学3年・黒澤大翔君)、「とても貴重な経験になった。JAXAに入って次世代のはやぶさを開発したい」(中学1年・森田恭平君)など大きな反響があった。


党県本部の甚野源次郎代表(県議)と丹治市議は、09年の福島分団きぼうの結成の際に、スタッフや団員の募集など組織づくりを強力にバックアップ。震災後の10月には、甚野県議が仲介して福島の小学生に、元宇宙飛行士・土井隆雄さんから励ましのメッセージを寄せてもらった。


今回のフォーラムも、甚野県議と丹治市議を中心に企画を練り上げ、運営に奔走した。丹治市議は「復興途上にある福島の子どもたちに大きな希望を与えることができた」と力を込めた。

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