e高速道に津波避難所

  • 2015.03.16
  • 情勢/社会
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公明新聞:2015年3月16日(月)付




全国初の"活用"協定で

公明、8年前から一貫推進




四国の高松自動車道と徳島自動車道を結ぶ高速道路の新区間が14日、開通した。徳島県の沿岸部を通る同区間には、地震発生時の津波から住民が避難するためのスペースも設置。この「津波避難所」は、徳島市議会公明党の提案を受けて、自治体と高速道路会社との間で締結された全国初の協定に基づいて整備されたもので、地域住民の悲願が実現した。



地域住民の悲願が実現



鳴門―徳島の新区間に 7カ所で約3500人分



今回、開通した区間は鳴門ジャンクション(JCT、鳴門市)―徳島インターチェンジ(IC、徳島市)の延長10.9キロ。四国内の高松、徳島両自動車道と兵庫県につながる神戸淡路鳴門自動車道が直結し、観光振興や流通促進など地域経済の活性化が期待されている。


同区間が通る徳島県沿岸部は、南海トラフ巨大地震による甚大な津波被害が予想される地域。周辺に高台がない地域も多く、住民が安全に避難できる場所の確保が喫緊の課題となっていた。


こうした状況を市民相談を通してつかんでいた公明党徳島市議団は、解決策を模索する中で、高さのある場所に新設される高速道路に着目。2007年9月定例会で土井昭一議員(市議選予定候補)が、県や西日本高速道路(NEXCO西日本)と連携して高速道路に住民の津波避難所を整備するよう提案し、毎年の予算要望などでも一貫して訴えてきた。


公明の提案をもとに、市は08年4月からNEXCO西日本と避難所の整備に向けた協議を開始。東日本大震災を受けて協議が加速し、11年8月に高速道路の敷地を津波避難所として活用することを明記した全国初の協定を県、徳島市、NEXCO西日本で締結。14年2月には鳴門市、松茂町、北島町とも同様の協定を結び、今回の避難所整備が実現した。


津波避難所は区間内の7カ所で車道脇に整備され、合計3500人以上を収容できる。このうち、最大約6メートルの津波高が予想されている徳島市には、海抜7~9.4メートルの2カ所に計1400人が避難できるスペースを確保。地上から避難スペースに上がる階段や緩やかなスロープが整備され、足元を照らすLED照明も設置。平常時は立ち入ることができないように施錠され、緊急時には鍵を預かる住民代表が開放する。


8年前から津波対策を求める地域住民の声を公明議員に届けてきた党員の西森明さん(60)は、「安全な避難所の確保は地域住民の悲願だった。公明党の現場力と実行力で実現し、本当にうれしい」と語っていた。


また徳島市は、今後整備される徳島JCT(仮称)―徳島東IC(仮称)間にも津波避難所を設けたい考え。市危機管理課の横山昇課長は、「沿岸部に住む住民の命を守るために、NEXCO西日本と協議を進めていきたい」としている。

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