e国連防災世界会議 大震災の教訓と知見を発信せよ

  • 2015.03.12
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年3月12日(木)付




国際的な防災戦略を議論する第3回国連防災世界会議が、14日から18日にかけて仙台市で開かれる。


異常気象の頻発などに伴う世界的な防災意識の高まりから、本体会議には120~130カ国の首脳や閣僚、国際機関の代表など約5000人、関連行事を含めると4万人以上の参加が見込まれている。ホスト国の日本にとっては、東日本大震災の経験と教訓を世界に発信し、併せて復興の現状をアピールする絶好の機会となる。


また、日本は大規模な自然災害を経験する度に制度や意識を改善している防災先進国だ。防災の知見や技術を国際社会と共有し、途上国の開発に生かす主導的な役割も果たしていきたい。


国連は、2015年が「持続可能性」を柱とする開発目標の策定に向けた重要な1年になると位置づけている。この会議に出席する国連の潘基文事務総長は、「持続可能性(に関する議論)は仙台で始まる」と述べ、防災会議の重要性を強調している。


過去2回の会議は横浜市(1994年)、神戸市(2005年)で開催され、前回の第2回会合では防災に関する10年間の国際的な指針である「兵庫行動枠組み」が採択された。今回は、これを継承する15年以降の新たな枠組みづくりをめざす。


会議では新枠組みを議論する本体会議のほか、各国の政府機関や非政府組織(NGO)などが主催するシンポジウムやフォーラムなど350以上の関連行事も開催される。


公明党も宮城県本部主催のパブリック・フォーラムを開き、大震災の被災者を対象に実施した党独自の調査結果を踏まえ、今後の震災復興のあり方などを議論する。15日には、東北大学大学院のパブリック・フォーラムに、パネラーとして井上義久幹事長が参加する予定だ。


防災会議の開催中には、被災地沿岸の復興プロジェクトや東北地方の魅力的な観光資源などを視察できる歓迎事業も準備されている。会議の参加者と被災地の人々との有意義な交流の場になるのではないだろうか。


5日間にわたる会議を大成功させ、震災復興の弾みにしていきたい。

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