eコラム「北斗七星」

  • 2015.02.23
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年2月23日(月)付




近くの市立小学校で増改築工事。体育館の耐震工事をしたばかりではて? と思ったら、近くの小学校と統合するためのもの。廃校の校舎は福祉と社会教育の複合施設として活用される。統合される2校の教師、地域住民、PTAの代表による学校統合に向けた準備委員会も議論を重ねる◆市区町村が保有する公共施設の4割は築30年以上。延べ床面積の推移を見ると、1970年代に最も増加した。老朽化がこれから一気に進行。補修や建て替え費用が膨らむ。と同時に、少子化による小中学校の統廃合も迫られる◆さらに、高齢化による福祉施設への需要は増える一方。しかし、自治体財政には限りがある。そこで、公共施設について長期的な視点で、長寿命化や建て替え、統廃合・複合化などを示す「再編成計画」の策定が各地で進められている◆地域の実情に合わせたプランづくりはもちろん、大切なのは住民に丁寧に説明することだ。なぜ統廃合が必要なのかという理解を行政と住民が共有することが、より良い管理・運営につながる◆ある調査では、公共施設の再編成に約9割が賛成と答えた。しかし、理解を得られるまで丁寧な説明をすべきだとする人が5割を超えた(日本政策投資銀行調査)。避けて通れない道。労をいとわない住民との対話が求められる。(繁)

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