eオープンデータの活用 自治体は積極的な取り組みを

  • 2015.02.16
  • 情勢/解説

公明新聞:2015年2月16日(月)付




国や地方自治体などが持つ公共データは、国民共有の財産である。政府は「世界最先端IT(情報技術)国家創造宣言」を掲げ、公共データを誰でも自由に利用できる形で公開するオープンデータの取り組みを意欲的に進めている。


特に、自治体の公共データが広く活用されれば、防災や医療、保育など生活に身近な情報が地域住民に共有されることによる行政サービスの向上が期待できる。公共交通機関や病院、学校などの情報と物件情報を併せて提供する不動産サービスなど、ビジネスへの利用も可能である。


自治体によるオープンデータの取り組みは、地方創生にもプラスに働くに違いない。内閣官房の電子行政オープンデータ実務者会議は10日、オープンデータ推進のための自治体向けガイドラインを公表した。


2014年版情報通信白書によると、オープンデータの取り組みを実施しているとする自治体は、わずか9.7%にとどまっている。また、市区の27.4%、町村の50%がオープンデータについて「関心はなく、取り組みも行っていない」と回答している。

まずは、自治体にオープンデータの意義を、しっかりと周知させていくことが重要であろう。公明党の地方議員も議会でオープンデータの重要性を訴え、自治体に取り組みを進めるよう求めている。



既に、オープンデータを活用している自治体は、住民の利便性の向上などに成功しており、参考になる。


福井県鯖江市は、人口の推移などの統計情報、災害時避難所や市営駐車場などの施設情報、古地図などの地図情報、観光情報など39種類のデータを公開している。それらを活用して市民らが作成した実用ソフトは80を超え、誰でもスマートフォンのアプリとして利用でき、生活や観光などに役立てている。


千葉市では、地質などを詳細に調べるボーリング調査のデータが公開されており、地域全体の地質構造が一覧できる。新規の調査が不要となることによる経費削減のほか、地域の防災対策などにも活用されている。


オープンデータのメリットは大きい。自治体は積極的に取り組んでもらいたい。

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