e「だいち2号」で災害把握

  • 2015.01.23
  • 情勢/テクノロジー

公明新聞:2015年1月23日(金)付




広域の衛星画像で迅速に

高性能レーダーで観測 悪天候、夜間も継続

東京都



宇宙から地表の精密検査が可能に―。東京都防災センター(都庁舎内)は昨年11月から、人工衛星「だいち2号」による災害時の被災地観測システムを試験導入している。提案した都議会公明党(中島義雄幹事長)のメンバーは先ごろ、同センターを視察し、担当者から説明を受けた。



JAXAと防災センターが連携



都議会公明党が提案



「だいち2号」は、主に地球の陸地の状態を精密に調べるための陸域観測技術衛星。東日本大震災による津波の浸水などを観測した「だいち」の後継機として、国土情報の継続的な蓄積・更新のほか、災害発生時の広域かつ詳細な被災地の情報把握などを目的に、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が打ち上げた。


担当者は「防災、危機管理において重要なことは、正確な情報をいち早く把握すること」と強調した上で、試験導入された観測システムについて説明。最大の特徴は、「だいち」が可視光カメラによる観測だったのに対し、「だいち2号」は高性能レーダーによる電波の反射を利用するため、地表の状況が正確に掌握できること。これにより、雲に覆われた地域や夜間でも、より安全に継続的な地表の観測ができるようになった。また、一度に広範囲の観測ができるため、広域災害においても迅速な被害状況の全容把握が可能だ。


都議会公明党は、小磯善彦議員が2013年3月の予算特別委員会で、「だいち2号」の衛星画像を被災状況の把握に役立てるため、JAXAとの連携を提案するなど積極的に推進してきた。


中島幹事長らは「自然災害はいつ起こるか分からないからこそ、万全の体制が必要。これからも災害対策に全力で取り組んでいく」と語り、災害発生時の対応について担当者と意見を交わした。

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