eコラム「北斗七星」

  • 2015.01.21
  • 情勢/社会

公明新聞:2015年1月21日(水)付




1年間で増加する日本の森林資源を、100メートル四方に木材で敷き詰めると、富士山の約2倍の高さになるという。増え続ける国産材の利用を促進する林業活性化の起爆剤として今、CLT(クロス・ラミネイテッド・ティンバー、直交集成板)が注目されている◆CLTは、ひき板を繊維方向が直交するように何層も接着した重厚なパネル。耐震性や断熱性、防火性に優れ、施工が簡単で工期短縮のメリットも。発祥の地である欧州では、集合住宅など"木造ビル"に使われている◆国内では昨春、CLTを構造用部材として使った全国初の事例として、高知県大豊町に企業の社員寮が誕生。岡山県真庭市と福島県湯川村でもCLT工法の実証事業を兼ねた共同住宅が建設されている◆CLTの普及促進に向けて国は建築基準の整備などを進めているが、高知県も県内関連工場の整備支援や技術者養成などに取り組む方針を新たに打ち出した。林業が活性化すれば、荒廃する山林に適切な手が入り、間伐材を使ったバイオマス発電の拡大にもつながるだろう◆公明党では、山口那津男代表らが製造企業を訪問して現場の要望を聞く一方、国会質問でも普及促進を主張し、党内には先週、林業振興議員懇話会も設置された。林業による地域活性化への取り組みをぜひ加速させたい。(祐)

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