e家計、地方へ好循環拡大

  • 2015.01.05
  • 情勢/社会
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公明新聞:2014年12月29日(月)付

 

3.5兆円規模の経済対策

石井政調会長に聞く
交付金創設で消費喚起

景気回復の実感を家計や中小企業、地方へ届けるため、政府は27日、3兆5000億円規模の経済対策を閣議決定した。そのポイントや公明党の提言が反映された内容などについて、公明党の石井啓一政務調査会長に聞いた。

公明の主張が随所に反映

 

―なぜ経済対策を実施するのか。

石井啓一政調会長 自公連立政権の経済政策で、企業収益の増大が賃金上昇や雇用拡大につながり、消費拡大や投資増加を通じてさらなる企業収益の増大に結び付く「経済の好循環」が生まれ始めています。しかし、消費増税による駆け込み需要の反動減が長引いていることや、円安に伴う輸入物価の上昇で、足元の経済状況は思わしくありません。

先の衆院選で国民の皆さまに約束した「実感できる景気回復」を実現するためにも、経済対策を速やかに実行し、経済の好循環を家計や中小企業、地方に波及させる必要があります。

―経済対策の特徴や主な内容は。

石井 生活者や事業者への支援を手厚くし、公共事業は必要最小限にとどめました。経済対策の規模は約3兆5000億円で、財源は2013年度予算の剰余金や景気回復に伴う14年度税収の増加分などで賄い、新たな国債の発行はしません。財政の健全化にも目配りをしています。

経済対策の柱は、(1)個人消費の喚起(2)地方の活性化(3)自然災害からの復旧と東日本大震災の復興加速化―の三つです。これらの効果について政府は、実質GDP(国内総生産)を0.7%程度押し上げると見込んでいます。

―公明党の主張で盛り込まれた内容は。

石井 政府に強く提言していた、地方にとって使い勝手の良い交付金が創設されました。この交付金は、個人消費の喚起や地方創生総合戦略に沿った少子化対策・結婚支援策など、自治体が地域の実情に応じて自由に使えるのが特長です。

例えば、「プレミアム商品券」の発行を支援して商店街に活気をもたらしたり、燃油高騰が生活を直撃している低所得者の灯油購入を補助したりできます。子どもの多い世帯への給付金支給や、地方創生を進めるための移住促進、雇用対策などに使うことも想定されます。

―交付金以外の施策については。

石井 消費増税による反動減の影響が特に大きかった住宅分野への支援として、長期固定金利の住宅ローン「フラット35S」の金利引き下げや「住宅エコポイント」の復活を決めました。

中小企業への配慮も忘れていません。漁業、運送業の燃油高騰対策を実施するほか、新商品開発費用などを助成する補助金を継続します。資金繰り支援も強化しました。このほか、東日本大震災の復興加速化や災害対策も強力に進めます。

―今後の取り組みは。

石井 政府、経済界、労働界の各代表でつくる「政労使会議」は、来春の賃上げに向けて最大限努力することで合意しています。これに合わせて家計、中小企業、地方に配慮した経済対策の実施により、経済の好循環を本格的に導き出したい。

そのために、経済対策の財源となる14年度補正予算案を来年の通常国会冒頭に提出し、早期成立と早期執行に努めていきます。

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