eコラム「北斗七星」

  • 2014.12.25
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年12月25日(木)付



危険ドラッグを吸引したことによる交通事故や、錯乱した上でのものとしか思えない犯罪が世上を騒がす。11月までに622件で725人が摘発。昨年1年間と比べて事件数は5倍、人数は4倍に増えた◆今年に入ってからの本格的な取り締まりの成果がはっきり現れた。法整備も進んだ。4月には改正薬事法(現・医薬品医療機器法)で単純所持や使用が禁止に。今月17日からは、有害ならば指定薬物でなくとも検査・販売停止命令できるようになった◆この結果、今年3月に全国で215を数えた販売店は11月末で35に激減。インターネット販売でも、削除・販売停止したサイトは153に上る。しかし、本当の「闘い」はこれからだ◆危険ドラッグ使用が原因とみられる死亡者は11月までに111人。「ものすごい勢いで中高校生に広まっている。(それを助長しているのは)デリバリーです」との夜回り先生こと水谷修氏の指摘は、不気味だ。電話やネットで連絡、場所を指定されて販売する。これに代表されるように危険ドラッグ販売が、口コミや、ネット上の隠語でのやりとりによって行われる「地下化」が進むと見られる◆「未知の毒を人体実験するようなもの」といわれる危険ドラッグの恐ろしさ。遠回りだが、若者にそのことを丁寧に伝える努力が、今こそ求められる。(繁)

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