eアジトの摘発 大幅増

  • 2014.12.22
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年12月21日(日)付



振り込め詐欺など 検挙の5割超は暴力団

警視庁



振り込め詐欺などの特殊詐欺事件の捜査で、警視庁による詐欺グループのアジトの摘発は今年、少なくとも27件に上り、昨年1年間の摘発件数(18件)を大幅に上回ったことが20日、同庁への取材で分かった。特殊詐欺事件の検挙者の5割超が暴力団関係者だったことも判明。警視庁は被害金が暴力団上層部に渡っているとみて、資金の流れの解明を進めている。


特殊詐欺は、電話で相手をだます「かけ子」や現金を受け取る「受け子」、指示役などに役割分担されている。受け子役ら末端の逮捕だけでは詐欺組織撲滅は困難なため、高綱直良警視総監の指示の下、警視庁は詐欺グループ中核メンバーの検挙につながるアジト摘発を強化していた。


捜査関係者によると、詐欺グループ側もアジトが発覚しないよう場所を頻繁に変更。刑事部と組織犯罪対策部などは、過激派摘発でアジト発見に実績のある公安部とも連携し、詐欺グループアジトの情報収集を強化した。


11月には架空の投資話で8500万円をだまし取ったとして、組織犯罪対策4課が詐欺容疑でアジトを摘発し、指定暴力団住吉会系組幹部ら15人を逮捕。このグループは東京都内の雑居ビルなどをアジトにし、2、3カ月ごとに場所を移動させていた。全国の高齢者らから総額15億円をだまし取ったとみられる。


警視庁によると、今年上半期の都内の特殊詐欺事件の検挙者に占める暴力団関係者の割合は52%で、「暴力団の資金源として定着しつつある」(捜査関係者)。同庁は今年、振り込め詐欺事件で指定暴力団稲川会系や山口組系の組員も逮捕している。

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