e21日に衆院解散 安倍首相が表明

  • 2014.11.19
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年11月19日(水)付



消費税10% 1年半先送り
現下の経済状況踏まえ国民生活への配慮必要
自公党首会談



安倍晋三首相(自民党総裁)と公明党の山口那津男代表は18日夕、首相官邸で会談し、席上、安倍首相は、2015年10月に予定していた消費税率10%への引き上げを1年半延期する意向を表明し、その判断について国民の信を得るため、衆院を解散する考えを伝えた。

この中で安倍首相と山口代表は、現下の景気・経済の状況について、7~9月期の国内総生産(GDP)の速報値や政府の景気点検会合での議論などを踏まえ、「総合的に判断して、今の経済状況、国民生活の実情についてはかなり配慮しなければならない厳しい状況である」との認識で一致。

その上で安倍首相は、今後の対応について「個人の消費を喚起し、地方も力づける、そのような経済対策も検討したい」との考えを示した。

山口代表は、消費税率を10%に引き上げる際には、食料品などの税率を低く抑える軽減税率を導入するよう要請。「導入に向け、与党でしっかり議論を詰めて、実行できるようにしてもらいたい」と訴え、公明党としての考え方を説明した。安倍首相は「承った」と応じた。
デフレ脱却へ 経済政策で信問う

安倍晋三首相は18日夜、首相官邸で記者会見し、来年10月に予定されている消費税率10%への引き上げについて「個人消費を押し下げ、デフレ脱却が危うくなる」として、2017年4月に1年半先送りする方針を発表した。財政健全化の観点から再延期は行わないと明言した。その上で「重い決断をする以上、速やかに国民に信を問う」と述べ、衆院を21日に解散すると表明した。

衆院選は経済政策「アベノミクス」継続の是非が争点となり、12年12月の政権復帰以来、自公両党が着実に行ってきた政権運営に対する審判の意味合いも持つ。

首相が再増税の可否の判断材料に挙げていた7~9月期の国内総生産(GDP)速報値は年率換算で1.6%減と2四半期連続のマイナスとなった。首相は、景気の腰折れを回避するため、消費増税関連法の付則の「景気弾力条項」に基づき再増税を延期することを決断。政府は来年の通常国会に、増税延期のための同法改正案を提出する。経済対策を盛り込んだ補正予算案も提出する。

首相は、増税延期は国民生活に直結する重要な政策変更に当たるとして、衆院選で審判を仰ぐことへの理解を求めた。軽減税率については、自公両党で「導入に向けてしっかり検討させていきたい」と述べた。



安倍首相の会見要旨

消費税率引き上げ延期

一、消費税引き上げは社会保障、子育て支援充実に必要だが、景気が腰折れすれば、国民生活に大きな負担を掛ける。昨日、7~9月の国内総生産(GDP)速報が発表された。残念ながら成長軌道には戻っていない。総合的に勘案し、デフレ脱却、経済成長をさせるアベノミクスの成功を確かなものにするため、消費税10%への引き上げを来年10月から行わず、18カ月延期すべきとの結論に至った。再び延期することはない。2017年4月の引き上げは、景気判断条項を付すことなく確実に実施する。(軽減税率導入は)自民、公明両党間でしっかり検討させていきたい。

経済対策・財政再建

一、政権発足以来、経済好循環が生まれようとしている。現時点では3%分の消費税率引き上げが個人消費を押し下げる重しとなり、本年4月に続き2%の引き上げは個人消費を再び押し下げ、デフレ脱却も危うくなると判断した。国民所得を押し上げ、地方経済にも景気回復効果を波及させていけば、税率引き上げへの環境を整えられる。個人消費のてこ入れと地方経済を底上げする力強い経済対策を実施する。次期通常国会に必要な補正予算を提出していく。財政再建の旗を降ろすことは決してない。20年度の財政健全化目標も堅持していく。

衆院解散・総選挙

一、国民経済にとって重い決断をする以上、国民に信を問うべきだと決心した。21日に衆院を解散する。17年4月に確実に10%へ引き上げること、経済政策、成長戦略を前に進めていくべきか、国民に判断を仰ぎたい。「アベノミクスは失敗」との批判がある。批判のための批判を繰り返し、立ち止まっている余裕は今の日本にはない。私たちが進める経済政策が間違っているのか正しいのか、選挙戦を通じて明らかにしたい。

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