e火山防災 人材確保と研究体制の充実急げ

  • 2014.10.22
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年10月22日(水)付



長野・岐阜両県にまたがる御嶽山の噴火災害を受け、20日に開かれた政府の防災対策実行会議で、有識者などからなる火山防災対策推進ワーキンググループを設置し、今年度末までに対策の具体案をまとめる方針が示された。戦後最悪となった火山災害の教訓を今後の防災対策に生かし、国民の生活と安全を守る徹底した取り組みを望みたい。

前日の19日には、富士山噴火を想定した神奈川・山梨・静岡3県合同の避難訓練が初めて行われた。今後、策定される広域避難計画に反映する予定だが、噴火の規模や範囲を事前に予測することは難しい。大規模噴火でさえ、前兆現象を捉えたとしても、たった数時間で噴火に至る場合もある。ましてや小規模噴火の予測は極めて困難だ。

文部科学省のまとめでは、昨年度の当初予算に計上された地震と火山関連研究費は217億円程度。算出条件が異なるため単純な評価はできないが、科学技術関係経費4兆431億円の0.54%に過ぎない。地震と火山の研究費が別々に計上されていた2008年度をみると、地震関連費が206億円だったのに対し、火山関連費はその10分の1程度の19億円だった。火山研究に十分な予算が確保されているとは言い難い。

全国に110ある活火山のうち、地震計や傾斜計、空振計、カメラなどが設置され火山活動を24時間態勢で監視しているのは、47火山にとどまる。火山を常時観測することで異常時の活動を把握することが可能となるが、半数以上の火山で観測態勢が整っていない。

内閣府の検討会が昨年5月にまとめた提言も、監視下にある47火山でさえ観測態勢が充実しているとは言えないと指摘。火山数に比べて研究者が少なく、分散していることや、大学で火山の観測・調査研究に従事する研究者が40人程度で、人材の確保が困難になりつつある現状にも警鐘を鳴らした。

日本は、世界の活火山の7%が集中する「火山国」にもかかわらず、具体的な避難手段の検討が進んでいない火山地域も多い。命を守る火山防災を一層進めるため、人材の確保と観測・調査研究の充実を急がなくてはならない。

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