eコラム「北斗七星」

  • 2014.10.21
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月21日(火)付



NHKの連続テレビ小説「マッサン」は、大正時代に初の国産ウイスキーに挑んだ男性と妻の物語。その中で、スコットランド出身の妻が日本の夫婦は上下関係なのかと質問し、対等であると夫が答える場面があった◆時は移り現代では、対等どころか妻が主導権を握る家庭が少なくない。しかし女性の社会進出の面では、いまだに日本は大きく遅れている。ワーク・ライフバランス社の小室淑恵社長は国会の公聴会などで、労働時間の視点から解決策を示している◆「日本は月60時間以上残業する人の割合が世界で最も高いが、一人当たりの生産性は低い」「長時間労働は、うつ病などの精神疾患につながり、若い社員は婚活もできず、団塊ジュニア世代の介護離職が深刻化する」◆逆に「8時間以内で終業できれば社員は健康で、婚活もでき、優秀な人材が集まり、生産性も高まる」「介護や育児とも両立できる」。労働時間の抑制が、企業にも従業員にもプラスになるとの発想だ。小室社長自身、育児と介護に追われながら残業禁止の会社を興し、増収増益を続けているという◆当然、人手を増やす必要があり、育児期も含めた女性の進出が不可欠になる。政府は先週、「女性の活躍推進法案」を閣議決定した。「女性が輝く社会」とは、結果的に「男性も輝く社会」になる。(幸)

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