eコラム「北斗七星」

  • 2014.10.07
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月7日(火)付



「地方」と「女性」が輝くために何が必要か。キーワードの一つは「欧米化」かもしれない◆明治以来の日本の中央集権体制は、欧米に追いつき、追い越す機能を発揮し、戦後も高度経済成長の原動力になった。その結果、ヒト、モノ、カネが首都に集中した。都市部で働く男性社員の大半は、結婚しても仕事一筋という免罪符を振りかざし家庭を顧みない。ところが、長時間働く割に労働生産性は主要国の中で最下位、国際競争力も今一つだ。競争力でベスト10入りしている北欧諸国では、女性が社会に進出、男性は家庭に進出している◆日本のある大手製作所は、出身地の北陸地方に本社機能の一部を移した。移転によって電力消費量は大幅に減り、生産性もアップした。経営の「見える化」を進め、国際競争力を高めた企業である◆東京在住者の約4割は、地方での暮らしを検討している。ただ、最大の問題は働く場だ。地域経済を担うサービス産業は労働生産性が低い。米国の半分程度の水準しかないため、低賃金になってしまう◆しかし、労働生産性が高まれば男性の退社時間は早まり、家事の参加時間は増すに違いない。欧米社会で当たり前の風景が日本に広まる。また、地方の雇用機会が増し、都市部から人が移住しやすくなる。この分野こそ、欧米に追いつき、追い越そう。(明)

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