eコラム「北斗七星」

  • 2014.10.06
  • 情勢/社会

公明新聞:2014年10月4日(土)付



物思いにふける。食欲が旺盛になる。普段、手を出していないものに触れてみようと思わせるのも、"秋"のなせる業かもしれない。やがて来る冬を前に、秋は人をさまざまな世界にいざなう◆文化・芸術もその一つ。敷居が高い印象がつきまとうが、以前、本紙の対談で人間国宝の野村萬氏が「町衆と言われる庶民に支えられてきたのが日本の伝統文化」と語ったように、本来は身近なものである。公明党が文化・芸術振興に力を注ぐのも、心豊かな生活を送るためには欠かせないと考えているからだ◆国民文化祭が、きょう4日から秋田県の全25市町村を舞台に始まる。国民体育大会(国体)と同様、国民文化祭は毎年、各都道府県の持ち回りで行われている。国体と比べれば知名度は低いが、1986年に始まり今年で29回目◆開催地の特色ある歴史・文化を堪能できるところがいい。11月3日の最終日には、秋田の竿燈、男鹿のナマハゲなど国内最多17に上る国指定重要無形民俗文化財が一堂に会したイベントを開催。岩手、宮城、福島から招いた団体も合流し、東北の伝統芸能を発信する◆期間中には、8月末に行っている日本最大の花火大会「大曲の花火」も再現される。日常生活に忙殺され、乾ききった心を耕してくれるのも文化の力。潤いを求め、訪ねてみては。(広)

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ