e安保法制の整備 識者の評価

  • 2014.07.28
  • 情勢/解説
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公明新聞:2014年7月26日(土)付



平和憲法の基本原則守った
個別法審議でも 公明の踏ん張り期待
ジャーナリスト 田原総一朗 氏
―今回の閣議決定の内容をどう見ますか。



全文をよく読むと、集団的自衛権の行使を認めたというよりはむしろ、個別的自衛権を延長したものとも取れる文言になっている。

先日の衆参の予算委員会でも、内閣法制局長官が閣議決定について、平和憲法の基本原則である「自国防衛の基本は維持している」という趣旨の答弁をしたが、全くその通りだ。

解釈改憲だとの批判もあるが、閣議決定を読む限りそれは当たらない。

―公明党が果たした役割は。

今回、公明党はよく頑張った。自民党は国民政党といわれ、党内で激しい議論を公然と闘わせて結論を出してきた。長期にわたり政権を担ってこれた理由もそこにある。

従来なら、自民党が集団的自衛権の行使容認を強引にやろうとすれば、党内には反対だというハト派がいた。ところが今、そのハト派がほとんどいなくなり、党内での論議はほとんどなかった。

その中で、今回、自民党のハト派の役割を果たしたのが公明党だ。

特に、閣議決定の最も重要な部分に当たる自衛権発動の新3要件をめぐる議論においてはよく頑張った。当初案では「国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれ」となっていた「おそれ」の部分を、「明白な危険がある場合」と、より厳格にした。

山口代表は、最後まで立場をぐらつかせなかった。そこを私は評価している。

―今後の法整備についてどう考えますか。

問題はこれからだ。閣議決定に基づき、自衛隊法など、15や16とも言われる多くの法律を改正しなければならない。

来年の通常国会で審議が行われる予定だが、ここで公明党がどこまで踏ん張れるか、これからが勝負どころだと思う。

今の自衛隊法は、認められたことしか実行に移せない"ポジティブルール"が基本になっている。自衛隊は実力があるが、ポジティブルールのために実際は動けない。「戦えないから戦わない」ということだ。

それを「やってはいけない」と書かれたこと以外は全部できる"ネガティブルール"に変え、「戦えるけれども戦わない」自衛隊にしようという勢力がある。

一般に"軍隊"というのは、戦えると戦ってしまう。太平洋戦争がまさにそうだった。当時、日本が勝てると思っていたのは、政府や軍の幹部でもいなかったが、戦争に突入した。

その反省から、今の日本は「戦えないから戦わない」自衛隊になっているわけだが、これを「戦えるけれども戦わない」という風に変えようとしたとき、公明党がどこまで頑張れるかだ。

これが来年の通常国会の大きなテーマになると見ている。

―平和を党是に掲げる公明党に求められる視点は。

日本人の多くは平和について考えているものの、平和を維持するための安全保障に関しては深く考えてこなかった。要するに米国頼みの安全保障できた。むしろ、安全保障を考えないのが平和だという意識すらあったと思う。

公明党が与党の一角を担う政党として、"平和の党"ならば、国の安全保障をどう守り、確保するかを真剣に考えることが大事になってくるだろう。

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