e水循環基本法きょう施行 資源守る施策の具体化急げ

  • 2014.07.01
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年7月1日(火)付



乱開発防止や災害対策が重要



日本の貴重な水資源を守る水循環基本法が、きょう1日から施行される。水は命の源であり、水資源を適切に保全し、健全な循環を維持することは、持続可能な社会を築く上で不可欠だ。基本法に基づく施策の具体化を、積極的に後押ししていきたい。

水行政について、長く指摘されてきたのが縦割り行政の弊害だ。河川と下水道は国土交通省、上水道は厚生労働省、農業用水は農林水産省の所管となっており、政府の施策に総合的な視点が欠けているとの意見は根強い。

このため、基本法では、首相を本部長、5月に任命された太田昭宏・水循環担当相(国交相と兼任)らを副本部長とする「水循環政策本部」を内閣に設置し、水資源を一元的に管理する体制を整備。太田担当相らは、近年増加する異常気象などによる水の災害から国民を守るため、河川やダムの視察などを精力的に行っており、政府の総合的な視点を反映させた水循環基本計画を策定する方針だ。

さらに、基本法では、複数の都道府県にまたがる河川の流域ごとに水循環を管理する体制を整えることも明記している。河川の流域が一つの県内にとどまる場合、関係する自治体同士の連携は比較的とりやすい。しかし、県境をまたぐ大きな河川になると、調整は複雑化する。国の出先機関を含め、どのような管理体制を整えるのか、早急に具体像を示すよう求める意見は少数ではない。政府は、こうした声に誠実に応えていかなければならない。

基本法では、水を「国民共有の貴重な財産」とした上で、適正な利用を促すことも明記した。

1990年代には、欧州系の水道サービス事業者が途上国に進出したが、経費を必要以上に水道料金に転嫁したり利益追求に走ったため、水道料金が高くなり過ぎて、批判を浴びた。

現在の日本国内では、地下水の利用を目的として、外資系企業が森林買収を進めていると報道されているが、水の公共性を強調している基本法の理念が守られ、乱開発などが行われないよう一定の歯止めとなることが期待されている。

世界には十分な水を確保できない地域も少なくない。新興国の人口増加に伴い、水不足に拍車が掛かるとの懸念もあり、「21世紀は『水の世紀』」とも呼ばれている。政府は、基本法の施行を契機に、将来にわたって国民が安心して暮らせる水資源の管理体制を全力で進めてもらいたい。

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