e中東和平交渉 決裂回避に全力傾けよ

  • 2014.04.24
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年4月24日(木)付



国際社会全体の後押しが必要



米国の仲裁で昨年7月に再開した中東和平交渉は、期限の今月29日まで1週間を切った。イスラエルとパレスチナの主張の隔たりは大きく、最終合意に至る可能性は皆無に近い。交渉期限の延長を双方に受け入れさせるかどうかが焦点になっている。

交渉の主な目的は、イスラエルとパレスチナの「2国家共存」である。2003年に米国や国連などが和平への道筋を示した「ロードマップ」(行程表)に掲げられているものだ。

合意が実現すれば、イスラエルと国交のない周辺のアラブ諸国も外交関係を結び、中東地域の平和と安定につながると期待されている。しかし、話し合いは進展せず、むしろ、悪化している。

和平交渉が暗礁に乗り上げている最大の原因は、相手に対する根深い不信感が拭えないためだ。

今回の交渉再開の条件として、イスラエルは拘束中のパレスチナ人の段階的釈放を決定していたが、3月末に最終グループの釈放を見送った。

反発したパレスチナのアッバス議長は、交渉中は控えるとしていた15に上る国連機関や国際条約への加盟申請を推進する方針を発表した。もし、加盟が認められれば、パレスチナ側はイスラエルによる占領や、占領した土地に自国民を送り込んで住宅地を建設する入植活動の不当性を加盟国に訴え、国際世論を喚起する構えである。この動きに対し、イスラエルは態度を硬化させている。

双方が歩み寄れない背景には、それぞれが抱える複雑な事情もある。

イスラエル政府は、国内の右派勢力への配慮から入植地の拡大計画を積極的に承認せざるを得ない。一方、パレスチナ側はアッバス議長の求心力が急速に弱まり、和平に反対するイスラム原理主義組織のハマスがガザ地区を占領、事実上の分裂状態に陥っている。

和平交渉が決裂すれば、ただでさえ不安定な中東地域の情勢が混迷を深める恐れが出てくる。事実、イスラエルは昨年、内戦の続くシリアの軍事施設を攻撃しているだけに、新たな暴力や軍事衝突の連鎖が起こりかねない。そうなれば、この地域に原油確保を大きく依存している日本のエネルギー政策に影響が及ぶ。

幸い、双方とも交渉の継続に余地を残した姿勢を崩していない。まずは、決裂を回避し、話し合いを続ける仕組みを築いてほしい。米国だけでなく、日本を含めた国際社会全体の後押しを期待する。

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