e4月から消費税8% 社会保障改革を前へ<完>

  • 2014.03.31
  • 情勢/経済
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公明新聞:2014年3月29日(土)付



円滑な価格転嫁 特措法で拒否を禁止
監視強化し中小企業守る



4月からの消費税率引き上げでは、納入業者が増税分を商品やサービス価格に転嫁(上乗せ)できるかどうかが課題となっています。

企業は商品を仕入れる際、代金として納入業者に消費税分も支払わなくてはなりませんが、大企業が有利な立場を利用して増税分の支払いを拒否する事例が後を絶ちません。

立場の弱い中小企業は、取引の打ち切りなどを恐れて、納入先の要求を受け入れざるを得ず、増税分の負担を強いられています。原材料高などで経営が厳しい中小企業にとって、増税分の転嫁ができない事態は死活問題になりかねません。

産経新聞が中小企業などを対象に3月に実施した調査では、今回の増税分をすべて転嫁できないとの回答が40%を超えています。

転嫁拒否を防ぐために公明党が成立を推進してきたのが消費税転嫁対策特別措置法です。同法では、増税分の転嫁を拒否し、不当に安い価格で商品を仕入れる「買いたたき」などを禁止。政府が、これらの行為を厳しく監視・取り締まり、スムーズに転嫁ができる環境整備に取り組むことを定めました。

政府は600人程度の転嫁対策調査官(転嫁Gメン)を配置し、転嫁拒否の調査・指導に当たっています。

2013年10月から今年2月までに、政府が価格転嫁を拒否した企業に対して行った指導は853件で、立ち入り検査は302件。商品の輸送代金を4月以降も据え置かれたなどの具体的な違反事例も報告されています。

政府は14年度に中小企業への書面調査を行うとともに、4月から大企業への集中的な立ち入り検査を実施し、行為が悪質な場合、社名の公表に踏み切る方針です。

一方、同法では4月から「消費税還元セール」など納入業者への転嫁拒否につながる広告の表示を禁止しました。「3%値下げセール」など消費増税と関係性がないとみられる表示は可能です。

さらに、現在の値札は、消費税額込みの総額表示が義務付けられていますが、増税に伴う値札張り替えの事務負担を考慮して「1000円+税」などの表示ができる特例を設けました。このほか、公正取引委員会に事前に届けることを条件に、増税分の転嫁や表示に関する協定(カルテル)を認めています。

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